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1962年2月発行 読谷村だより / 4頁

甘蔗株出について 甘藷苗床の設置

※「試験成績(夏植3ヶ年平均琉球農試験場)(夏植3ヶ年平均コザ農研)」は表のため原本参照。
甘蔗株出について
生産費の低いNCO
A、NCOの有利な点(POJ)に比較して
(イ)芽の出方がよい
(ロ)分蘗力が旺盛である
B,新植より有利な点
(イ)初期の生育が早い
(ロ)短期間で収穫が出来る
(ハ)苗の準備、整地、植付の労力が省ける
C、実施の方法
(イ)適期二月の立春より三月中
(ロ)作業の順序
1、収穫後は直ちに古株の根をスキ鍬で鋤きわけて土を削り落す
2、よく切れる鍬やホーで株切りを行う
3、株切は古株の根本より六-七㎝(2~3寸)位の処より切り揃える
(注)
(イ)新しい根や丈夫な芽が出ることになる
(ロ)芽が出てから株切を行うと芽が不揃で生育がよくない
(ハ)収穫後二週間以内に行う
(ニ)雨降りに収穫した畑は踏み固められますので早目に行います
5、管理
(イ)次株の生じた処は早目に補植を行う
(ロ)稚茎(グーラ)を切除く(新芽の出るのを抑えるから)
(ハ)反当基肥として堆肥八○○調合肥料特六○-八○瓩(一、五-二叺)を根切りした株の両側に施す此の際に堆肥にヘプター、アルドリン粉剤反当四-五瓦を混ぜ施し土壊害虫を駆除す
(ニ)追肥基肥後六日-七日目に根より三寸位離れた処に深さ三寸位の溝を掘って反当一、五-二叺を施し倍土をなす。

甘藷苗床の設置
 昔から苗床半作と云う諺があるとおりであります。甘藷作は他作物に比較して栽培面積が広く軽卒にながれ易い故に品種劣変を防ぐため品種の特徴を備えた種藷を利用して太く充実した丈夫な苗を植えつけることが多収の第一条件である。
苗床の作り方
1、堆肥は坪当三○斤程度全面に切込む。
2、作り方
畦巾一米二○センチ「四尺」長さは適宜で短冊型とす。横に三○~四○センチ「一~一、三尺」毎に植条を作る。
3、植付は三月中旬
4、種藷の重量は一個四○匁程度とす 一~二週間休眠して置く
5、伏込
主部を斜切にして草木灰をぬって株間は二○センチ「七寸」を畦と平行に主部を同一方向に向け二寸程度覆土する。
6、管理
乾燥させない様に敷草をなし過湿に注意をなす。発芽して蔓が一五糎「五寸」位伸びた時芽かきを行い一株四本位に開いた葉一枚を残して摘芯をなし薄い水肥をかけ腋芽の促進を計る。
7、採苗
腋芽が四五糎「一、五尺」位伸びた時先端より二四~二七糎「八~九寸」を切取って苗にする即ち節間短く太く健全なるもの。採苗後は追肥をなす

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