読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1962年3月発行 読谷村だより / 1頁

農家を豊かにする組合貯金 読谷農協長神谷乗敏 農協の一日皆貯金七三、二〇〇ドル 一日皆貯金の実績

農家を豊かにする組合貯金 
読谷農協長 神谷乗敏

農協の一日皆貯金七三、000ドル
 農業近代化を促進し特に貿易自由化は吾々琉球農家の好むと好まざるにかかわらず時代の波に乗ってひしひしと押し寄せて来る事は必定であり常に心の眼を開き如何なる事にも対処し得る様な準備が必要なのは私から申し上げるまでもありません。そういう観点から琉球政府並に農林漁業中央金庫が提唱した農業近代化促進貯蓄増強の一大運動を展開された訳であり我が読谷村に於きましても三月二十五日を一日皆貯金日と定め三月一日字喜名を皮切りに三月二十三日までに左記日程表の通り懇談会を催し各部落の組合員の御諒解を得て参りましたこの趣旨に御賛同していただいた組合員の中には明日二十五日は日曜日だから今日頂けにきたと云って二十四日から一日皆貯金に御協力のため押し寄せて来られる盛況で二十四日と二十五日に亘り七万三千二百二十六弗八十五仙一日皆貯日の貯金高にしては今日までに全琉一の最高の貯金高をあげさしていただきまして好成績を得る事が出来ました事を組合員の皆様に本紙を借りて厚く御礼を申し上げる次第で御座います。誠にありがとう御座います。
この一日皆貯金も斯の如く好成績を修めさせていただいたのでありますがこの事を機に一段と前進し皆様の日常の暮しにプラスすべく役職員一つ心になって努力する事を御ちかい致します。
そのあらわれとして三月二十八日には全琉農協の役職員が沖縄劇場に集り新農政確立促進総けっ起大会をもち農村に内包せる沢山の問題を取り上げて政府に迫った事は新聞紙上で御覧の通りであります。特に中部地区においては機械化に依るキビ作熱はリョウ原の火の如く当農協と致しましても大型トラックターを購入し一日一日は荒帯地の解消に力を尽くして居りますが農連の三○○屯工場では現在ですら農家に迷惑をかけているのにも本年の約三倍に増えたキビの処理に対し一千屯工場に増設認可方を全琉農協の名に於いて強力に進言致しました今後も心をゆるめる事なく吾々の作るキビが適期に安心して搬入出来る工場の完成に総力を結集し目的達成に邁進致す覚悟であります。
キビ代の問題も適正なる値で買取る様その筋に村長会議長会と共に全力を注ぎ御協力を致し度いと存じます。
又中金の政府未払込出資金支出に対しても強力に押進めるべく立法院に陳情致す心組みでありますその他パンフレット問題等数々の諸問題を早急に解決して貰い農家所得の引上げを政府に陳情致

※表「農漁業近代化貯蓄推進懇談会日定表」原本参照

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