読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1962年5月発行 読谷村だより / 2頁

台湾視察研修をおえて 読谷村農協 長浜宗繁

〔71号1ページの続き〕

としては在来パークシャ。ヨークシャーで殆んど品種改良されこれも最初は精液を米国から輸入されて改良なされた想でありましたが現在では各県に種豚を所有農協を通じて人工授精が徹底されております最初は台湾農家では在来種が良いとのことで困ったそうです説明に依りますと在来種は繁殖率が多く一回に十五、六頭産むのでその為普及になやんだそうであります成豚は生後十二ヶ月も飼育するとの事で現在では品種改良により生後七、八ヶ月で肉豚として大体百八○斤位で出荷されております飼育の方法と致しましては殆ど化学的養豚に切り替現在では化学飼料による飼育であります
 その為肉質に於て好評であるとの事防疫に於きましても充分施行され現在では豚疫は殆ど皆無の状況で安心して養豚業が経営されて居るとの事であります尚、飼料による飼育方法を強く推進し甘藷畑を甘蔗畑に切替る様指導なされて居るとのことであります勿論料も台湾糖業で生産する、関係上値段が安く沖縄と比べて百斤位の豚で一頭につき一ヶ月約五弗位の差があります現在では化学飼料と完全防疫、品種改良で年々増産の成果を得ているそうです。それから中国復興会の御配慮により、農復会技師の林本欽氏が我々一行の通訳として又林本欽氏の視察日程表により十五日間の視察に遺憾なく無事終了致しました林本欽さんは日本の学校で学び親切で大変御世話になりました

二 台北市上林に高桑文雄氏の経営する養鶏場に案内され此処の経営主は北海道の方で大地養鶏場と云い現在成鶏一、五○○羽ひな五○○羽で孵卵器二台所有毎月一万羽のひなを生産し一般農民譲渡販売して経営が充実して居りその経営指導には日本の今村と云う先生を招き指導を受けたとの事で今村先生に敬意を表していました尚高桑さんは鶏の人工授精監別等総て自分の手で行い将来豚五百頭鶏二万五千羽あひる五千羽を計画していると説明して下されました只遺憾なのは卵価及び飼料の値が安定してないので将来は自分で飼料工場をもつとの計画もあるとの事でありましたここで卵の値段を申上げますと台湾の通貨は一弗で四○元でそれで最高一斤二二元(五五仙)最低一○、五○元(二八仙)との事でありました台湾では一個一個の値段はありません販売は斤量で取引きされ屋敷が約五百坪位所有し将来に希望を持たれ自信ある経営を計画なされていました鶏飼育は沖縄と似ています

三 台北市淡水水獣血清製造所の説明ではこの血清製造所も農復会との連繁の下に運営され技術員二九名、事務員二一名で予算額三百五十万元で十四種の血清液を年五百万CCを製造し防疫に万全を期し一万頭に三頭の割しか豚疫が発生してない現況の様です月二回予防注射を実施し注射料成豚一頭四元子豚二元で注射を受けないと売買も出来ない又屠殺も出来なく住民にも徹底的に指導され予防には万全を期し安心した養豚が出来る様になったと喜びを語っていました敷地も約一千坪位で機械器具が完備し沖縄にも中南北部に設置し予防に万全の策を御願い致したいと思います

四 台北市新営郵政局養鶏場は局職員だけの経営する養鶏場で共済会組織であるが敷地は政府所有で設備は職員が建てその利益でアパートも建て安い家賃で局職員に利用させて居りここでも孵卵器を所有しひなの販売も行って居ります現在成鶏八千羽で一羽平均二五○個を産卵している将来二万羽に増す計画の様でした

五 桃園県鶯歌酪農園は面積十七町歩で乳牛七四頭仔牛一九頭ホルスタインと雑種で牧草はタンゴラベッチで年間牧量一町当り十二万キロで年に四、五回収穫され牧草以外に大豆粕フスマいも豆腐粕等は購入資料で飼育されて居り乳量については一頭平均一日十二キロ半で(約七升)キロ当り六元で売られています牛乳については自家殺菌機大型冷蔵庫も所有ビンヅメまでオートメーション化して健全経営がなされています

六 桃園県につきましては県長の御説明で面積一、二二○平方粁米で人口五○万畑一一、七○四二ヘクタール田四五、五二四ヘクタール農家戸数四一、○○○戸牛二一、○○○頭豚一七万八千頭鶏九六万純農業県で酪農については五ヶ年前から始め乳製品施行規則を設定して政府補助で二○戸が発足され現在乳牛が六四四頭も飼育し九○戸の酪農経営者で今後は牛乳の利用者が毎年増しているので酪農経営を推進したいとの意志を表明して居られました県でも企業化出来る様に研究班を設置し重点的に技術指導を行い第一目標の酪農計画達成に努力なされるとの御話でした

七 台中埔心牧場は面積一二○町歩その中七○町歩が牧草を作付牧草の種類については鶯歌農園と同じで乳牛は殆どホルスインでここでは六○○頭保有内四○○頭は各農家に貸付し牛乳をここに納入して乳牛代金を支払いする様な経営がなされて居りますここでも牛乳はオートメ式で殺菌機にたより市販されています牛舎及設備については沖縄では採算がとれそうもない感じでした

八 大埔台糖公司種畜場におきましては長さ三○間に四間の豚舎が十六棟もあり勿論会社組織になっていますが場長の説明に依りますとここで品種の改良をなし一般農民に貸豚並に現金で販売され、貸豚と申し上げますのは一般農家は豚を借りてその代金は製糖期にキビ代から差引く仕組みになっています飼育は全部化学飼料で台湾産の配合飼料であります凡ある化学的研究器具を保有し早速く総ての病気の原因が分り様になって居りますここでは種豚、繁殖豚、肥育豚を飼育一ヶ年五万頭の肉豚を生産されて居るこの説明飼料も分析技師がついていて絶へず分析し無駄がない様適当な飼料が使用されて居ります経営は豚舎二棟に三名の授業員で総ての責任をもち何しろ設備が充実し豚舎は全部レールが敷かれ便利で生産コストが安くつく様に経営されている

九 台中の草屯在台湾省農林庁訪問畜産課長の説明で台湾では畜産保険防疫を大きく推進、各県に家畜衛生試験場並に血清所を設置し豚疫は殆どないので養豚は一つの事業として成り立っている豚の飼育数三二六万頭で一ヶ年一○万頭を輸出され国内消費と生産のバランスがとれているとの事であります農家一戸平均収入が月一○○ドル位で農産物は米砂糖パイン茶等で大体米が二作イモ野菜等四期作で台湾省計画通りの産物されています

十 新竹県大里台湾省農会を訪問会長以下職員の御説明に全員感謝しました会長から台湾農会の歴史が六○年で全国に三四五の農会があり内容については沖縄と似て居りますが豚価が沖縄と異り省農会、生産者、屠殺業者で十日に一回豚価を決めて居ります出荷豚の相場の変動に対しては政府物資局が一切責任をとり決定した豚価に対しては生産者には何も関係がない旨の御説明で矢張り保護政策がなされて居りますので安心して養豚事業が出来る様であります然し屠殺税は政府の大きな財源で沖縄とは反対に生産者が価格の一○%を負担しているとの御説明でありました

十一 新営台糖公司飼料生産工場の説明で一日の生産工場の説明で一日の生産量四○屯で原料は糖密パイン粕大豆粕で豚用鶏用を生産英国日本香港に輸出もなされ価格は大体一キロ当約十仙位で売られ工場は約百人余りの工員で設備が充実しここでも化学研究室があり絶えず三名の技師によって研究分析され信用ある飼料として全農民より喜ばれて居るとの御説明でした

十二 各市町村の農会につい

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