読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1962年5月発行 読谷村だより / 3頁

台湾視察研修をおえて 読谷村農協 長浜宗繁

〔71号2・3ページの続き〕

ては此処で一括にまとめて御報告申し上げます農会の内容は沖縄とは余り変わった処はありませんが役員等の選出に於ては組合長専務理事は職員の中から選出され配当金は金然せない様な運営がなされて居ります農会は沖縄が民主的に台湾よりは進展して居ると思います

十三 屏東県家畜保健所に案内され所長の説明で県では人口五四万人七割が農家で養豚戸数五万八千戸農家一戸当り耕地面積平均一町歩も保有して居り豚三○万頭鶏五二万羽牛五万頭で獣医が一七三名で防疫に万全を期し家畜保険を推進され現在畜産関係は保健所の計画通り発展を遂げて居る様であり特に人工授精で多大の効果を揚げ授精料は牛五○元豚二○元徴集され一番のなやみは水牛である想で一ヶ年に百日位しか使用せず後は無駄であるのでこれを普通の牛に切り替えて耕耘機を利用する計画で普通牛は日本の熊本県から輸入する計画で大体交渉も済んで居るとの事でありました

十四 屏東台糖公司は前にも色々御報告申し上げましたが会社組織でありますので御諒承下さいここでは繁殖豚肥育豚を専門に飼育母豚は一ヶ年一、八腹で品種はパークシャー、ヨークシャが殆どで一ヶ年二万頭の仔豚を生産肉豚として年一万二千頭を出荷されたここでも予防注射月二回で豚疫は皆無の現況であり成豚まで飼料が三五○キロ仔豚一腹当り九○キロで飼育なされて居るとのことでありました
日程により殆ど御報告申し上げた通りであり同様な所を視察致しましたので沖縄より長所とか異った所を申し上げ報告を終らせていただきます養豚について完全なる防疫対策がなされ尚飼育につきましてはねり飼がな配合飼料による飼育で沖縄も台湾の飼育法に切替へ度いと思います沖縄では現在副業であり事業化は不可能であり尚採算がとれないと思います養鶏についてはほとんど孵卵器を保有しひなの販売もなされ産卵の減少した場合と飼料代等それで補い産卵してから一ヶ年半で肉用として処理されて居ります勿論事業化しています酪農についても設備の充実と広い農園による経営で沖縄でも政府補助等で大きく推進してもらい度いと思います牧場に於きましては沖縄ではどうかと思いますが何しろ広い面積で乳牛一二○頭とか七○頭も保有され又種牛も各自保有し依存経営ではありません沖縄でも有志の人々が多く視察していただき山地でも開発して牧場経営をされ一般住民に営養のある牛乳を多く生産されていただき度いものと希望致します

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