読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1962年7月発行 読谷村だより / 2頁

ハワイ通信 都屋港と竣渫工事落成祝賀会 

ハワイ通信
 ハワイ在住の本村出身松田蒲助氏からこの程村長宛に「村民だより」の感想について次のとおり便りが寄せられた(原文のまま)

拝啓 永々御無沙汰ばかりしています。毎日お元気で活躍なされて居られる由何よりと存じます。ご送附の読谷便り第六八号去る四月九日に受取り早速開封して見ました処、読谷村議会が東京の全国町村議会議長会から優良村議会として表彰され又現村議会議長仲本政公氏が自治功労者として表彰されました事は名誉であり歓喜に堪えない次第であります。この名誉ある表彰を受けました事は村議会議員並びに村御当局始め村民各位の地方自治の向上と村議会運営に対する御協力の賜物だと思い深く感謝して居ります今後も尚一層地方自治の向上発展と村民の福祉増進のため益々一致協力し御尽力あらん事を念願する者であります
二 伸
三貢の面に「更正保護による明るい街づくり運動現在全琉に亘り犯罪のない明るい社会、住みよい郷土を築こうという趣旨のもとに「更正保護による明るい街づくり運動」が展開されているとの事を見て全琉球が明るい生活に恵まれた感が致します。茲に愚案ながらわが感想の一端を述べさせて頂きます。犯罪のない社会を造るには「不良化防止」が最初の対策だと思います。不良化は環境によるものである事を強調しますが、その環境というものは人間一人びとりの行いの合作である事を思えば何人も社会人として責任を守り各自の立場において努めて環境をよくしていかなければならなんのであります。「三つ児の魂百迄も」と云う諺の通り人間を造るのに大事な事は幼い時からの躾であります。自分の子供を立派に育てあげるには自分の力では不十分と思いますから寺院や教会、学校に通わせて知らず識らずの間に思想体系を調えさせておく事は青少年男女の不良化防止の特策だと思います。現代の青少年は人間慈悲心養成を目的とする教育よりも時代にはやるテレビや映画における殺伐教育の感化が強い、その結果は青少年の多くが此の生存競争の準備に多忙を極めているようであります。此の変転極りない世の流れにもてあそばされつつある可愛子弟の良心として神仏の差しのべ給う慈悲のみ手にいだかれて、先づ父兄として宗教えの関心を高めねばならんのであります。年頃の青少年男女の悪化する原因は悪友の感化が多い即ち「朱に交われば赤くなる」場合の多い事は専門家でない何人でも経験する事であります。此の危険期を避けさす為めに父兄は大事なわが子の動静を常に注意して宗教関係や修養機関に加入させねばなりません。犯罪のない明るい住みよい郷土を実現するには社会の上層級の人々が深く人類平等の事実に目を覚し私慾満足のため築きあげた不合理なる特権を捨てて人類平等の人格価値を尊重し自他協力して人間生活向上を計る事である。茲に願くばわが読谷村民が理解と協力をもって自立更正し犯罪のない明るい住みよい村を築きあげ全琉球に模範村として表彰されん事を朝夕御祈りして居ります。
私の感想は現ハワイに於ての青少年男女であります。甚だ前後揃わない文語だが読んで下さい。
四月十六日
松田蒲助
読谷村長 知花成昇殿

都屋港と竣渫工事落成祝賀会 
○龍船競漕で賑わう
 都屋部落では去る六月十日水道施設の落成と漁港浚渫工事の竣工祝賀会を催した。当日は祝賀式典に先だち朝十時から部落独特の爬龍船競漕が同港内で行われた。爬龍船競漕は御願爬龍を皮切りに、児童生徒競漕、転ぷく、職域対抗、西瓜とり、潜水、上り爬龍の順に行われ、拆からの雨にもかかわらず村内外から多数の観衆があって大変賑やかだった。なお引き続き祝賀式典が行われ、経過報告や感謝状の贈呈があり、来賓祝辞の後、式を閉じ祝宴にうつった。
 都屋港の浚渫工事は総工費六、一○○ドルで六一年七月一日から与那覇組によって工事が施工され本年一月三日に竣工したのである。

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