読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1962年7月発行 読谷村だより / 2頁

区長会提出事項 古堅中学校の独立について  『第一回一〇マイル道路レース終る』

区長会提出事項
一日時 六月一日十時
一提出事項
1 ブラジリア(ブラジルの新首都)自営開拓家族移住者募集について
締切 一九六二年六月十日限り
出発 一九六二年九月頃の予定
全琉から十家族募集
2 水禍防事故防止について
3 沖縄盲ろう学園入園募集について
全琉で失明者一○名
ろうあ者一五名
期間 失明者三年 ろうあ者二年
対象 身体障害者手帳を有する満十六才以上の者 希望者は役所でたずねること
締切 来る七月三十一日まで
4 白い羽根募金について
5 火災予防並びに交通安全について

古堅中学校の独立について 
古堅小中学校 大湾梅成
一、本土の文部省は戦後今日までの日本の教育は米国から強いられた教育で真の日本人育成の教育ではなかったとの理由で基礎学力の向上を目ざして昨年四月小学校本年四月中学校の教科課程を全面的に一大改革を致しました。
中学校の場合教育内容の重点として次の四大項目を上げています。
1、道徳教育の強化
2、基礎学力の向上(高校程度に)
3、科学技術教育の振興
4、進路指導の二本立(就職と進学)
 そこで琉球政府文教局は本土の教育政策に相呼応して昨年度は各教育区に一つの原則で理科教育センターを設置し本年度は独立中学校に対し十月までに平均九千弗の備品技術教育センターとしての特別教室を年次計画で割当て科学技術教育の振興推進に努める事になっていますが併置中学校には今の処此の恩典の見通しがないとの事であります。 ここで中部連合教育区の各市町村におきましては恩納村と離島を除く外この四月を期して独立中学校として発足、今では読谷教育区の古堅だけが唯一の併置中学校として取残されています。
故に読谷教育区におきましても読谷中学校のこれからの在籍並に学校規模等考慮に入れ古堅中学校の独立について計画樹立すべき時が到来しているのではないかと思います。
二、今度の古堅校の校舎建築の点からも中学校の独立を考慮せねばならないと思います。現在の校舎は三三教室でありますが、その内二三教室、小学校収容(二二学級)の分はブロック、スラブの永久校舎になっていますが中学校(一○学級)収容の分一○教室は木造仮校舎で早晩改築を要するものであり此の改築は独立中学校を計画し新敷地を求めて施行することによって独立中学校の理想的校舎配置が可能であると思います。とはいっても中学校犯立の急務は敷地の確保にあると信じます。
三、今後の古堅中学校の生徒数は現在の小学校在籍から次のような数字になります。
一九六二年度 在籍四八四 学級数一○
一九六三年度 在籍五五五 学級数一一
一九六四年度 在籍五八一 学級数一二
一九六五年度 在籍六一三 学級数一二
六○○という数は中学校の理想的規模であるとして此の四月に政府立で出来た琉球大学附属松島中学校は定員六○○で発足しています。
四、読谷教育区における教育百年の計として古堅中学校を独立し読谷中学校区を座喜味以北、古堅中学校を喜名以南に学区域を変更すれば読谷中学校の在籍が一、○○○名内外古堅中学校の在籍が八○○名内外で落付き理想的な二つの中学校が出来るものと確信する者であります。
五、小学校四校に中学校二校それに現在の読谷高校これを読谷教育百年の計と申しても過言でないと思います。

『第一回一〇マイル道路レース終る』
優勝 楚辺区青年会 池原正憲 
記録 一時間三分二七秒
 読谷村体育協会(会長知花成昇)主催、文林堂スポーツ店、嘉手納比嘉スポーツ用品店後援による読谷村第一回一○マイル道路レースは去る六月十七日(日)午後三時摂氏三三度の炎天下で十人の走者で覇を競った。レースは読谷村役所前を出発楚辺伊良皆を経て嘉手納琉球銀行前折り返しのレースで非常な難コースである。スターターの出発の合図で一せいに役所前を出発六号線のアスファルト道路に差しかかると先頭の脚はぐんぐん上り、先頭が楚辺部落を通過する時にはその差は早くも五百米にも達したなおもトップ組はピッチを増して来た。
 嘉手納琉球銀行前の五マイル折り返し地点では一位に楚辺池原正憲、二位楚辺照屋富将、三位読谷高校比嘉武利選手の順で折り返した。しかしながら折り返し地点以前にすでに落伍者も出た。この炎天下で果して走破出来るものが居るかいささか不安がられたにもかかわらず楚辺の池原選手は一時間三分二七秒と云う見事な好成績を納めることが出来た。他の走者は決勝線を目前に余儀なく落伍してしまった。結局一○マイルを走破出来たのは池原選手だけだった。優勝の池原選手には優勝カップと副賞の償勝楯参加賞等が贈られた。
 この一○マイル道路レースは長距離選手を育成し本村陸上競技大会を盛り上げようと云う趣旨で催されたもの。
 なおこの一○マイル道路レースに引続き八月中旬頃に陸上選手権大会も持つ予定になっている。

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