読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1962年12月発行 読谷村だより / 2頁

村長選挙終る 池原昌徳氏無投で当選 当選証書を交付 就任の挨拶

〔78号1ページの続き〕

赤痢、コレラ、小児マヒ其の他伝染病を予防して住民の健康を図る。青少年を保護育成し、不良化を防止する。児童生徒の学力が向上するように考える。さしあたり古堅中学校を分離せしめるべく努力したい。
青年会、婦人会、体育協会策其の他の各種団体を保護育成して、地域社会の文化向上を図りたい。青少年を保護育成するために職業補導を行い、不良化を防止したい。
犯罪をなくし、火災を未然に防ぎ、交通事故をなくすことにより「明るい村」になるでしょう。  「平和な村づくり」戦争でもないのに、「平和」という言葉を用いるのはどうかと思いますが私の云う「平和な村づくり」とは次のような意味であります
民主主義の実践は先づ家庭の民主化から生まれると思います。新聞、ラジオ、テレビその他マスコミの発達によって人間はいろいろと刺激されるものでありますがこの影響により現実主義の人と保守主義の人が理解に苦しむことがあります。家庭内における大人同志の不理解があったり、隣近所や部落内に不調和がありますと住みよい社会は望めないと思います。要は個人個人の家庭が子供を立派に育て、夫婦仲良く、親兄弟を大事にすることが部落や村をよくし犯罪のない住み良い社会が出来上がると思います。
また人間十色と申しまして、顔が違えば考え方も違うものですがこれが選挙ともなりますと露骨になって参ります。選挙は民主主義の基盤でありますから公明に行われべきでありますが、自分の支持する候補者を勝たさんがために、いろいろの手段が用いられて、人々は冷静さを失い、対立感情が激しくなり、親子や隣近所の不和ひいては部落及村行政にも影響すると云うしこりが往々に見られます。
ところで、このようなものの考え方は是非改めて貰いたいと思います。選挙は綱引きと同じように、選挙が終わりますと綱引きが終ったように斗争意識を解散して、各々の生業考え、明日の生活面に向って研讃することこそ、部落や村が平和になると思います。
以上村おこし運動についての抱負を述べましたが、これを実践に移し成果を挙げるには、予算を伴い、条例の制定も必要であります。
よって村民の意志を代表する議決機関を尊重し、村民各位の御指導、御協力を仰ぎ、全情熱を傾注して皆様の御期待に沿う覚悟であります。
幸いに本村は歴代先輩の為政者によって築かれた貴重な財産と和哀協力の輝しい伝統がありますので、この尊い文化を受けついで、村民全体の奉仕者として人情政治を施し、融和のとれた豊かな、明るい、平和な村をつくりたいことをお誓い申し上げて、就任の御挨拶といたします
一九六三年十二月十一日
読谷村長 池原昌徳

利用者アンケート サイト継続のために、利用者のご意見を募集しています。