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1962年12月発行 読谷村だより / 3頁

一九六二年を顧みて

一九六二年を顧みて
 「光陰矢の如し」とか「月日のたつのは水の流るるが如し」とよくいわれていますがそのたとえにもれず月日のたつのは実に早いもので一九六二年も夢の如く過ぎさらんとしています。
 さてすぎし一年をふるかえってみまするに実に多事多端の年といえましょう。特に例年にみられない事項の主なるしのをひろいあげてみますと、先づ新春早々二月には本村議会が優良議会として沖縄で初めて全国町村議会議長会から表彰を受けたことは本村議会の誇りであり議会は勿論村民の喜びとするとところでこのお祝をかねて五月下旬に本村十五周年記念祝賀会が盛大に催うされたのであります。
十五周年記念事業として記念誌の発行、また本村教育の発展に古堅中学校の独立が計画されこれに伴う敷地七千余壷の購入を完了し直ちに独立校認可申請が行われ認可とともに独立校建設が着工されることになっています夏季になって毎年の如く脳炎や赤痢の発生でこれが予防々あつになやまされていますが本年はこれに如えて「コレラ」流行で緊張幸にして軍民関係当局の全住民の予防対策でこの悲しい「コレラ」の侵入をくい止めた事は何よりの幸だと思います。
なお本年は全琉的に選挙の当り年だといわれていますが特に本村では前村長の知花氏が立法院議員に出馬のため村長を辞任された結果、九月の議会議員選挙に続いて十一月の立法院議員選挙、そして十二月九日の村長選挙で数ヶ月間本当に選挙選挙ですぎ去って参りました。このような慌しい中にも村内各部落では部落発展の新しい計画のもとにいろいろの事業が進められ、昨年末古堅公民館の落成に続き、伊良皆、宇座、喜名各字の公民館が見事に完成式は楚辺の部落移動十周年記念式典や幼稚園園舎の建設波平の図書館の完成牧原部落の新部落の建設等なみなみならぬ努力の顕れと思います。さてこのように今年は多忙を極めた年でありますが幸にして台風銀座とうたわれている沖縄にも今年は大した防風もなく農作物も順調の伸びをみせ例年に比していくらか増収をみることと信ずるのであります。
茲に一九六二年を送るにあたり各面に亘って御心かうる御協力を賜りました村民各位に哀心から感謝申し上げると共に皆さんが御健康で新しい年を迎えられ増々御繁栄あらんことを祈念いたします。
では御参考までに本年六月以降(六月までの事項は本誌六月号に掲載済)の行政目誌からその主なる事項を列記して本年最後の村だよりの一頁と致します。

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