読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1962年12月発行 読谷村だより / 3頁

年末の感

年末の感 
知花英康

私は先般歯の治療のため嘉手納に行き、帰りには市場小でもみながら相互銀行に立寄ったら知花義雄君が「たいへんお元気ですな」と挨拶したので私も目はめがね耳は遠いし歯は八歯ですといったらそれでも意気は尚旺んになり。義雄君は早速
顔や梅干のいりくなて
居てん がまくら下や
爪もたたぬ
という琉歌もありますよといったので二人手をたたいて笑った。又本警察界の長老で沖縄人として最初の嘉手納警察署長であった久場政盛氏が目下那覇市二中前のお宅で悠々自適の生活をなさっているが、明けたら米寿を迎えられる。
高令で耳は遠いが筆談や大声で積る懐旧談をしたいから御出覇の時は必ず立寄って貰い度いとわざわざ雄渾達筆の御手紙もあり、特に久場氏はその御在任中あの読谷の「牛小問題」に関し悪辣なる投書が検事局に舞い込んで来て居ると早速その実情を調査して、又報告せられたので村の為には却て禍を転じて福となした人であるが年末はあれやこれやで心忙しくまだお目にかかる事は出来ず今年も過ぎ去ろうとする。
又郷土読谷の方も
年や寄いしみて思事や数多
いちがみになゆらわ
みの思い
であるが幸い村当局、議会議員始め村民皆様の熱烈なる郷土愛に依っていつかは物心両面充実した権威ある文化村が出来るだろうと期待して居る次第である。

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