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1963年3月発行 読谷村だより / 3頁

成人病対策『人間ドック』の開設について 成人病対策『人間ドック施設』の概要 

〔81号2ページの続き〕

に知っていただき検診を受けたい希望者の為に記しておきます。
成人病対策『人間ドック施設』の概要 
一、施設の開設について

 高血圧、ガン、心臓病を中心とした成人病の対策については、近時日本でも結核予防対策に相併行して積極的に対策が講ぜられつつありますが、結核と異なり非常につかまえにくい疾病であるが為に四十才頃になると、現に健康で活動している人でも自覚症の有無にかかわらず一種の不安が生じがちであります。
こうした不安をとりのぞくために、日本では一九五六年頃より「人間ドック」の施設を開設し、たとえ自覚症状はなくてもドックにはいり、よく調べ具合の悪い所があれば直にその向の治療をし、なにも無ければ自体を得て仕事にとつくめるようにしようとするものでありますが、従来、沖縄ではこういった専門医師による完成された施設が尠く、経済的に余裕のある特定の人が多額の経費を費やして、日本に行って検診したのであります。
今度、本会指定の大浜病院では日本に行かなくても沖縄で、しかも一日二日の日時で或は、働きながら且つ低廉な経費で利用できる「人間ドック」の施設を来る五月初旬より開設することになりました。完備された五階建(六四○坪)の施設と、陣容は現在担当しておられる古家博士他五人の医師と、更に四月着任予定の熊本大学医学部講師で大分県立病院成人病センターの部長をしておられる小村博士を中心としたものであります。
会員の皆様は組合事業の推進のために毎日の過労が激しく、而も四十才以上の皆様は家庭にあっては家族の主柱であり、組合、連合会に於いては中堅、或はトップの枢要なかけがえない方々でありますので、僅か、二日程の期間で年一回は体の活動状況、欠陥の有無を検査することによって更に農民、漁民の経済向上のために一層の御苦労を願い度いと思います。

二、人間ドック開設の時期及び申込方法
 ドック開設の時期は先に述べましたように来る五月初めから開設されますので、照合文にもあります通り来る三月二五日までに別紙様式(一)に記述して本会あて申込書を提出して下さい。病院と打合せの上日時を御知せします。
なお、本会々員又は家族以外の方で組合長の場合も併せて申込して差支えありません。
三、ドック入りの期間及び経費
 ドック入りの期間は二通りあります。
(イ) 短期入院ドック(一泊二日、食事付)の場合早朝より翌日晩まで 経費は一人当り三十二弗
(ロ) 外来ドック(通院)の場合
四日-五日間 経費は一人当り三十弗
(ハ) 経費で本会資金御利用の際は病気災害資金として取扱います。

四、担当医師
小村 寿一博士
昭和二十七年熊本大学医学部卒業 現在熊本大学体質医学研究所臨床医学部講師 大分県立病院成人病センター部長

古家 堯博士
昭和二十五年熊本大学医学部専門部卒業 熊本大学医学部第二内科教室研究員 東京女子医大心臓、血圧研究所並びに社会保険中央総合病内科「循環器センター」にて研修 大浜病院勤務 その他大浜病院各科専門医師

五、主なる検診事項
(以下の項目は臨床予防医学研究会の基準によるのです)
1 短期入院ドック(一泊二日の場合)
第一日目 入院
問診、一般検診、身体計測、血圧測定、検ニョウ、血枕、ワ氏反応、血清グロス反応又はクンケル硫酸亜鉛試験血清総コレステロール、BSP、血糖試験(ブドウ糖液負荷)心電図、眼底検査、胸部X線写真、夕食(乾燥食) テレパーク内服

二日目
尿濃縮試験 胃液検査(基礎分泌能) 胃腸X線検査(透視及び写真) 胆のうX線検査

後日評価
2 外来ドック(通院四-五日の場合)
例、月曜日
身体測定、血糖後一度二度 問診、一般検診 血圧 血沈、血液一般、検尿、検便 胸部X線写真、心電図 血清(グロス、コレステロール) 血清ワ氏反応、BSP血糖試験(ブドウ糖液負荷)
火曜日(朝食止め)胃液検査(カツチ、カルク氏法)眼底検査
水曜日(朝食止め)尿濃縮試験、胆のうX線検査
木曜日胃腸X線検査(透視及び写真撮影)
土曜日評価

六 集団検診について
 前途の「人間ドック」とは別に従来、胸部検診の程度で各組合、連合会で行なっていた集団検診を各団体の御希望により、年令を問わず常務役職員に検診を受けさせる「集団検診」として、主に胃、肝臓、心臓、じん臓等の検診を一日又は二日の期間で通院して出来る施設があります。この施設は現在既に、実施されていますが、費用は一人当六弗五○仙程度です。申込は別紙様式(二)により本会あて提出して下さい。病院と日時打合せのうえ御知せします。

七、以上申し述べました「人間ドック」及び「集団検診」又は普通の検診についてなお許しいことは本会若くは大浜病院へ直接問合せ下さい。

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