読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1963年4月発行 読谷村だより / 4頁

本土優良町村議会実務研修報告書 読谷村議会書記屋宜光正

本土優良町村議会実務 研修報告書 
読谷村議会書記 屋宜 光正

 沖縄市町村議会議長会の事業の一端として今年から市町村議会事務局職員の本土優良町村議会の実務研修が行われているがその第一陣として南部から玉城村、豊見城村、東風平村の議会事務局、中部から浦添村美里村、嘉手納村、読谷村の議会事務局、北部から上本部村の議会事務局職員が鹿児島県と宮崎県に派遣されたのである。
 今度はパスポートの交付の関係で四人は三月四日に残りの四人は三月七日に出発したのであるが鹿児島県町村議会議長会事務局や宮崎県町村議会議長会事務局では事務局長さん以下全職員の心からなる歓待をうけたのである。
 少人数ではあったが私共のために四日間も会議室で講義をして戴いたのである。鹿児島県下の町村議会事務局職員の研修会はすべて県町村議会議長会の事務局で計画して、講師も県町村議会議長会の事務局長以下全職員が当っているのである。県地方課の方は町村議会事務局職員の研修には余りタッチしていない状況である。
県町村議会議長会の事務局が充実されて、町村議会事務局な職員の研修会や議員の研修会まで行っているから本当に羡しい限りである。沖縄の市町村議会議長会事務局が一日も早く本土の町村議会議長会事務局と肩を並べて歩めるよう今後の発展に期待したいものである。
県町村議会議長会の事務局だけでなく町村議会事務局も充実しており、人口一万人以上二万人未満の町村議会事務局で専任の局長と専任の書記一人、その他職員として監査事務を専任しながら議会の事務を兼務されている状況である。
現在沖縄の市町村において専任の事務局長とか専任の書記を置いている市町村は僅か四十五%位にすぎないが本土では一○○%にちかい町村が事務局を設置しているのである。議会活動は議会事務局を充実させることにより活発なる議会活動も出来るんじゃないかと思っている。
 鹿児島県、宮崎県での事務研修中も県議会議長会事務職員が毎日引率して戴いて私共は馴れない、いろいろな環境にも困ることなく僅か短い研修日程ではあったが充分にその目的を果して帰村した。
 私共が改善すべき点も相当あるが、その改善すべき点については予算を伴うものも多々あるのでそのときは村当局にお願いし立派な議会運営と事務処理が出来るように努力していきたいと思っている。今度の実務研修における議会運営と事務処理の件についていろいろと感じた点を述べてみたいと思っている。

議会の招集について
 議会の招集権は今更述べるまでもなく市町村自治法により長に専属するものである。長が議会招集の告示をして始めて議会が成立する。長が定例会、臨時会の招集告示をしてその告示の写を議会議長に送付し、議長はこれを受理して各議員に議会が招集されているからと云うことを議長から告知している町村が大部分である。この告知の方法であるが使了を使って告知する町村もあれば郵送でやっている町村もある。郵送でやるときは書留めにしている。
 この招集告知には招集日時、場所を明示するだけでなくいかなる議案が予定されているかを併せて通知している。なお告知書を同時に議案の写と議事日程を配布している。開会前に議案の写を議員にあらかじめ配布しておくと議員の方々も開会までには研究して来られるので議案審議に入ってもスムーズに会議が運ばれている状況である。
 定例会の場合は会期が長いから開会してから議案を配布してもよいと思うが臨時の場合は会期が短いから開会前に議案を配布しておくのが望ましいと思う。この件については長とも連絡を密にして是非議会招集告知と同時に議案の写を配布できるように努めていきたいと思っている。

開会時間(定刻)について
 会議規則により会議時間は午前何時から午後何時までと規定されているので定刻までには全議員が議員控室に集って、定刻五分前になると議会事務局から鈴で合図している。その合図があると議員も町当局も会議室に入り自席に着席して議長の開会(開議)の宣告を待っている状況である。
開会の問題であるが本村においては会議規則の第八条に「会議時間は午前十時から午後五時までとする」と規定されているので定刻になると開会(開議)しなければいけないと思っている。

会議中の諸問題点について
 議場に入ると議員は勿論事務局、町当局もお茶や煙草を一斉禁じている。またある町においては、議場内ではどのような団体であってもそこで会議を開くときはお菓子も煙草も禁じている状況である。それだけ議場と云うところはいつも厳粛なる場として保っている。そう云うところを傍聴席からみていると気持ちよいものである。
議会用の机も固定式にしていつも整然とし、議長の席は議員の席より五十センチ位台を作って上げてあるのでどこからだれが発言してもすぐ分るようにしてある。
また議長と事務局は会議中いつでも連絡出来るようにすぐそばに席を設けてある。ほとんどの町が演壇を設けて長の施政方針演説とかあるいは議案の説明、一般質問、委員長の報告とか選挙の結果報告等すべてこの演壇でやって、議員の質疑に対する答弁は長の席から答弁している。
また質疑に対して要を得た答弁しているのでそこには重複した質疑も見受けられないのである。長は議案の説明でもあらましだけ説明して細部については関係課長や係長から説明させている。議員の発言であろうが、長の説明であろうが議場内にいるものはすべて議長の許可を得て発言している。
議案の件数が多いのにはびっくりしました。本村こは年間を通じて三十件程度のものであるが本土では一会期中に五十件余りの議案が上程されるがこれを七日から十八日間位の会期で処理している。その五十件余りの議案の中には簡易な議案もあるがそのような議案はすべて即決して処理し、予算案とよ条例と云うような重要な議案は委員会に付託して処理している。
一般質問の問題であるが議員が町の一般事務について質問をしようとするときは開会日の二日前とか前日までに文書により質問の要旨を書いて議長に提出している。所謂通告制度を採用している。議長は提出された質問の要旨を長に送付し開会まで充分に検討させて本会議において、議員から質問し、長の答弁を求めているのである。
(次号へ続く)

利用者アンケート サイト継続のために、利用者のご意見を募集しています。