読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1963年6月発行 読谷村だより / 3頁

施政方針 

〔83号2ページの続き〕

村民の保健衛生の面から或いは文化生活の面から極めて重要な事柄でありますが、本村の水道事業は上下水道を含めて全人口の三五%であり六五%の多数村民は井戸給水の状態であり特に本年度の長期旱魃のため水量も減り非衛生的でありますので、これを全村水道の計画を立てて年次的に施設する方針であります。
次に消防行政については、先ず予防消防を重点におき、一朝有事に備えて住民を火災の恐怖から解放したいと考えおります。そのためには老朽の消防車を処分して新車を購入し、機材の整備強化の下に消防行政の完璧を期したいと思います。
七 海外移民奨励について
 我が沖縄の人口密度は世界的だといわれますが、特に本村は総面積の八○%も軍用地に使用された上に、人口は遂年増加の一途を辿り年間約四○○名の自然増加を示し、今や二○、五○○人を擁する人口となりました。昭和十二年頃の総人口は約一五、八○○人といわれますがあの時代においても、ハワイをはじめ南米諸国に移民を奨励し現在すばらしい発展を遂げているのであります。
産業形態が変っている現在、昔の時代と比較することは当を得ないかも知れないが、耕地縮少の上に人口が五千人も増加し、年々四○○人の自然増加とあっては本村にとって移民こそ、深刻な問題だと言わねばなりません。
促って戦後も八重山開拓移民をはじめボリビア、南米呼寄移民等に約八○○名を送り出しておりますが今後もこの方面に力を入れ更に南洋諸島、への移民実現に努力したいと思います。

八 千害対策について
 本年度は七○年振りの大旱魃に見舞われ、飲料水に不自由し、農作物は枯死寸前の状況にあって干害の被害は莫大なものであります。本村においては直ちに干害対策委員会を設けて検討を加えました結果、さしあたり、飲料水に困っている部落に給水する一方、甘藷苗と甘蔗苗の確保のため、これ等の苗圃に浸水を行うことを決めて只今実施中でありますがこの干害対策については、長期的な測定が困難のため、ひたすら、応急措置のみの予算処置をとった次第であります。

九 施政にのぞむ態度
政党色はもちろん
村民の意見を尊重する
村民の批判を歓迎する
公平無私の行動をとる
以上施政の大要を申し上げ豊かな村、明るい村、平和な村を建設するために誠心誠意働くことをお誓申し上げ村民各位と村議会の御協力を切に御願致します。

一九六三年六月十一日
読谷村長、池原昌徳

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