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1967年2月発行 読谷村だより / 2頁

″本土研修報告″(三)果樹の産地は活気に満ちた青年が多い

″本土研修報告″(三) 果樹の産地は活気に満ちた青年が多い 
経済課長 松田 昌彦
 先月号までに、今後大きく期待される「砂栽培」「土壊改造剤EBーA」について報告致しましたが今月は果樹産地についてまとめたいと考えます。
 昭和三十六年に本土に於いては農業基本法が制定されました。その基本法に国の施策として、「需要が増加する農産物の生産の増進需要が減少する農産物の生産の転換、外国産農産物と競争関係にある農産物の生産の合理化等、農業生産の選択的拡大を図る」となつています。そこで需要の増加が最も大きく期待されたのが、果物と、動物性たんぱく質であり、成長作目としてクローズアツプされたわけであります。
 農業構造改善事業も果樹と畜産が主体となつています。このように国の政策と経済的な需要との関係で、三~四年以来、果樹のブームが九州を中心に起つています。このたび研修で特にみかん産地を中心に研修しましたのでまとめますと、
 (1)、みかん産地の型体として、旧産地と新産地があります。これは経営体系、技術体系が基本的に異り、九州地方を一帯として新興産地が形成されています。新興産地はほとんど山地の開発による産地造成が主であります。
 (2)、新興産地の技術体系は生産性を主体とした計画的密植栽培で三年目から収穫が始まり、五年目からは収支のバランスがとれるような計画で技術体系が確立しています。従来の一本一本を主体とした技術はもはや技術ではなくなつています。
 (3)、新興産地は農基法に基づく、構造改善事業で造成され、一団地一〇〇町歩の大きい団地もあり、一農家一~二町歩が主である。この新興団地は観光果樹と結びつけした産地も少なくない。
 (4)、新興産地造成資金は、ほとんど構造改善事業の制度資金であり、利率が年利四%返還は五年据置二十ヶ年償還で農家に非常に有利な制度がある。又補助制度もあります。
 (5)、品種は温州が主体で特に九州に於いては宮川早生温州がブームであります。天草の手深にポンカンの産地があり、又鹿児島にタンカンが少々あります。
 (6)、栽培技術で問題になつているのは異状落葉と隔年結果があります。異状落葉の問題は試験場で具体的研究が進められています
 隔年結果は最小限に止めようということで行政的には「適果週間」を設置し、大きくとり上げ、対処しています。
 (7)、機械化、省力化が深く研究され、機械による剪定、施肥、農薬散布、又省力化の一環として(草生栽培、薬剤散布による適果等研究が進められている。特に熊本県で「ヘリコプターによる農薬散布は好評がある」
 (8)、指導体制は県にみかん専門技術員がおり、又各農協に専門技術員が配置されている、沖繩のように役所にも農協にも技術員が分散しているのでなく、農協にまとまつている。技術の統一という見地が沖繩も研究する必要があります。
 (9)、みかんの生産コストはキログラム当り日円で二十五円~二十七円程度、販売価格は工場入荷の一~三級の平均が五〇円前後である。販売は共販体制が確立し、大型の選果場があり、農協直営である。
 (10)、みかん産地は経済的に豊かでなり、活気に満ちていると感じた。特に今日問題になつている青年の離農問題はみかん産地ではみられないようであります。みかんブームは後しばらく続くことでしよう。
 以上みかん産地の状況をまとめましたが紙面の都合で技術面の報告が出来ないことを残念に思います。本土の状況をまとめましたが、沖繩、又は読谷にみかんが出来るかどうか、又今後どうあるべきかをまとめてみたいと思います。
 (1)、みかんを単なる樹木だという観念から脱皮して私達が栽培している。甘蔗又は野菜と等しい作物としてる栽培観念を持つことが第一だと考えます。
 (2) 従来の宅地利用による二~三本の観賞用的な栽培から脱皮して。適地を選定して、少くとも三〇〇坪以上の栽培面積での造成を進めます。又このような個人が集つて団地を造成し、主産地形成をして、果樹観光との結つけも、今後の大きく期待される産業だと考えます。
 (3) みかんは沖繩に適するか、どうかの問題でありますが、(イ)、沖繩の気温は平均二一度ですから最適であります。世界的な産地と比較しても最適あでります。(ロ)雨量は年間二、〇〇〇ミリでありますから、これも好条件、問題になるのは台風であります。(ハ)これは人口的に防風林や防風網による対策、又は技術の開発によつて最小限に止めることは可能であります。本土又は他国の産地では沖繩の台風以上の寒害や、旱害がありますので、台風のせいにして果樹の振興にブレーキになることは技術の足りなさ、又は考え方の足りなさだと思います。(2)土性と地域の問題でありますが、酸性にもアルカリ性にも適用範囲は大きく、沖繩の場合は全域可能であります。読谷の場合は台風とか土性は問題ありません。又開発の余地ある条件としては、大湾、比謝の一号線東の山手の団地造成、伊良皆旧宅地、喜名の一号線東、座喜味横田屋一帯、瀬名波の池ン当原一帯も良いみかん地が出来るものだと思います。
 (4)品種は本土との競争の問題、沖繩の気象の特性から、ポンカン、タンカン、夏みかん、沖繩在来のオート、カーブチが有利だと考えます。将来は、レモン類、ネーブル類も着眼しなければならないでしよう。
 (5)沖繩に毎年一五〇万ドルの果樹類が輸入されています。市場の有利性は他作物に比較にならない程有利であります。そして果物の要需は毎年増加することは明きらかであります。以上まとめましたが、みかんがみかんが単なる樹木でないこと、昔のようにみかんは九年母でなく技術の向上で定植三年目から収穫が始まり、五年目で収支のバランスがとれるんだということを強張致します。紙面の都合で報告出来ませんが技術体系がいろいろありますので、その個人の目的に沿つて御相談に応じますので、御利用下されば幸と存じます。

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