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1967年7月発行 読谷村だより / 4頁

これだけは知っておきましょう 正しい応急手当

これだけは知っておきましょう 正しい応急手当
※人工呼吸のニールセン法について
 先月号で人工呼吸の呼気蘇生法のやり方について学んでまいりましたが、次の場合には呼気蘇生法を行なっていけないことになっている。
(1)有毒ガス中毒で呼吸困難や呼吸停止を起こしている時。
(2)毒物中毒の人の場合
(3)伝染性疾患の人の場合
従って人工呼吸法は、口を使わない方法のものも知っていなければならない。手を使う方法すなわち手動人工呼吸法も充分練習しておく必要がある。それで今月は手動人工呼吸法の中のニールセン法を学ぶことにしましょう。
※ニールセン法のやり方
A 仮死者の体位
 1仮死者を図(1)のような体位にはらばいにする
 2両手をかさねて、あごが充分伸びるように、その手の上にのせる。
 3手の合わせ方は、両親指の先がかるくふれ合い、上の手の中指の上にのせるように重ねて上の手の薬指と小指の間に、あごの先をのせる。
B 術者の体位
 1そのままでは仮死者の頭がぐらっと横倒しになるので、助手に図(2)のようにあごをつかんでもらう。
 2術者は図のような体位になり両手を充分伸ばして図の体位に両手をぴったりおく、親指の先は軽くふれあい仮死者の背柱の上に当たるようにおく。
 3これが「ワン」の姿勢である。
C 術者の体重のかけ方
 1「ッ」と呼称しながら腰を上げて体重を除々にかけて行く。
 2両肘を充分伸ばしておくことが大切である。肘を曲げたり、反動をつけたりしないように注意する。
D 体重のとり方
 1「スリ」と呼称して腰をなかば元の位置に戻しながら、両肘を伸ばしたまま、親指の方から起こして最後に小指が体からはなれるようにとる。
 2この時に上半身を伸び上がらせないようにすることが大切である。「ワン」の姿勢のまま腰だけをなかば元へ戻すだけである。
 3肘は充分伸ばしたままでいることが大切である。
E 肘のとり方
 1「ワン」と呼称しながらそのままの姿勢で写真のように両腕の肘の近くを持つ。
 2五指を揃えているところを注意すること。
 3肘は充分伸びている。
 4まだ腕を持ち上げないただ両肘の近くへ手を当てるだけである。
F 腕の引き方
 1「ツー」と呼称しながら、術者はそのまま腰をすっかり元に戻して座ってしまう。そして上体をややうしろの方にそらしながら
 2両肘を伸ばしたままで
 3仮死者の両肘を手前へ引きながら内側にしぼるようにして、その肘をやや上に持ち上げる抵抗を感じるところで引くのを中止する。
 4これを一分間に大人の場合十-十二回、子供や乳幼児は十五回位行なう。
注意
 a最初の「ワン」で腰を上げないこと
 b反動をつけないこと
 c仮死者の体格が術者より劣る時には、体重のかけ方を加減する。
 d呼気蘇生法とちがってこの方法は一分間に行なう回数を守ることが大切である。だからワン・ツー・スリーとリズムを取ってやること

※図は原本参照。

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