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1970年9月発行 読谷村だより / 1頁

都屋港を浚渫 水産業振興を目標に

都屋港を浚渫 水産業振興を目標に
 村唯一の漁港である、都屋港が整備されることになり、漁業関係者からよろこばれている。七一年度予算を審議する読谷村第五回議会定例会は都屋漁港の浚渫請負契約を可決いたしました。これによって都屋漁港の整備計画は、三期に分けて本格的にすすめられることになりました。今沖繩は、七二年本土復帰を控え基地経済から平和経済への移行という歴史的命題をかかえ、政府を中心として、各市町村自治体も、豊かな沖繩県づくりを目標に、産業基盤の整備拡充、社会資本の拡大第一次産業の抜本的な振興策など重要な施策が要求されています。このような状況の中で、都屋港が浚渫されることは大きな意義をもつものといえます。
さてこの港が整備され、漁港として活用されたとき、どのようになるかについて説明しますと、
(1)まず本村は、海峠線に面した所が多く地理的に有利な条件をもっています。そういう立地条件を利用することにより豊富な水産資源を開発することができます
(2)漁港が整備されることによって漁船が大型化し、漁法が改善され、それによって漁業従事者の所得が増え水産業の振興がなされます以上が整備されたときの利用上の点ですが、つぎにこの整備計画の概要を説明いたします。
(1)漁船、五~六トン級の船が完全に出入港できるように船路浚渫いたします。
(2)船舶の安全、および港の保全のため防波堤、防波護岸をつくります。
(3)接岸所、取付道路及び、エプロン土どめ工事をします。
(4)附帯工事として、網ほし場、水道施設、安全灯、及び照明灯を設置する計画です。
施設は三年に区分し、年次計画で行ないます。初年度は浚渫工事を行ないます。この浚渫工事は二万五六八〇ドルで株式会社国場組請負い来る十二月二九日までに完了する予定で工事は進められています。
この整備計画が完成すると漁業関係者の所得の増が見込れるとともに第一次産業としての水産業の振興がなされるとして期待されています。
このことについて古堅宗和読谷漁業組合長は、つぎのように語っています。
古堅宗和組合長のはなし
今度政府補助を受け港が整備されることになって大変うれしく思っている。
この漁港整備は漁民の生活向上に大きく役立つだけに整備後の事が楽しみだ。
読谷漁業組合のなやみは、何と言っても近代化の要請に答えられないということですが、この工事が着工されることによって一歩一歩、実現し期待しています。これからは、組合員の生活向上のため大型漁船の購入販路の確立、冷凍施設の改善など、施設の拡充と組織の強化を行ない七二年復帰に向け、第一次産業としての水産業の振興のため協力したい。

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