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1976年1月発行 広報よみたん / 8頁

「子どもを読書ずきにするための親の協力」 座喜味婦人会 島袋オツル

「子どもを読書ずきにするための親の協力」 座喜味婦人会 島袋オツル
 私が日ごろ感じていることを申し上げたいと思います。高校生を頭に五人の子をもつ母親としてどのように子ども達を読書ずきにするか、いつも悩みのたねでした。幸に図書室が身近にありますので、ひまをみては子ども達の喜びそうな本を借りて家へ持ち帰り、読みきかせをしています。
 私たち夫婦は共働きで朝六時三〇分に主人を送り出し、子ども達を学校へ出してのち八時二〇分ごろ家を出、午後五時すぎ帰宅。私が帰るまでの二時間余、子ども達がどのようにしてすごしているのかと、毎日が不安でなりません。共働きの親にとって、子ども達との対話が少ないことや、今の世の危機からどう子ども達を守るかなど、悩みのたねはつきません。そこで私は”読書”を思いたったのです。子ども達の性格も五人が五人個性があります。
 読書の好きな子もいれば、読んでいて意味がわからず、絵ばっかりを見ている始末の子、そんな子は、親が傍について、読んであげると、じっと最後まで聴いています。本当は本がきらいではないということでしょうかすらすら読めないがためにおっくうになっていたのです。その子のために私は週三冊の本を借りてくるのですが、上の子が二冊読み終えるまで、下の子はというと、一冊もやっとの状態で困りました。でもいつかきっと本の好きな子になってくれることを信じてがんばります。 今年も絶好の読書シーズンがやって参りましたテレビやラジオその他いろいろなものが私たち家庭に入りこみ、いやが上にも情報はキャッチできるというわけです。そんな時間を読書に向けることができたらどんなにすばらしいかと思います。
 幼少の頃の読書というのは一生忘れることのできないありがたさを感ずるものです。一冊の本との出合いによって人生が開眼され、良書によって人生の幸福を見い出すことができると思います。そのために親も子も共にたとえ一日三〇分でも読書の時間にむけたい所存であります夕食後のあと片づけを子ども達は能率的に済ませ、あとの時間を有意義に活用して、私も多く子ども達と接することができました
 私たちの子どもの頃と今とでは、いろんな面で恵まれ、それがかえって子ども達を意欲のない人間にしているようです。そこのところを親がちょっとだけ協力することによって読書の好きな子に成長していくのではないかと思います。

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