読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1976年9月発行 広報よみたん / 8頁

ああ無情 名木が消える

ああ無情 名木が消える
 ワァーもったいない(写真)-事情を知らない道ゆく人たちは思わず口ずさみ、「何んとかならなかったのかねぇ」と首を振る。
 これは樹径一メートル、高さ八メートルにもおよぶクバの大樹が見るも無残に軒並みに切断されているからである。この腹切りされたクバの木は、ある部落の老人会が結成十五周年記念事業として十年前植樹、だが成長旺盛のあまり、大樹になりすぎ、今ではよそ様に迷惑をかけっぱなしで嫌われる存在となっていた。これは、クバの上を走る文化生活のバロメーター二千ボルトにおよぶ送電線にジャマすることしきり、また、よそ様の宅地にわが天下の如く根をはびこらせブロック壁に亀裂をつくるなど、家宅不法侵入罪で訴えられることしきり。今ではすっかりジャマ者あつかいにされていた。
 これらの苦情に対処すべく部落主脳陣はその処理に苦慮していたが「せっかくここまで成長してきたのを切り倒すのはおしいものだが人命を尊重する立場からもはや有余の余地なし」。とすばやく「死刑」を宣告しクバは短い樹命を閉じることにあいなった。
 名木クバをおしむ区民の中から「クバを守る会」の結成準備もあったが不発のまま。
 死刑執行には青年会員がかり出され、おの、のこぎり、を振りかざし大木クバの横腹にブシユ!と一発。抵抗するかに見える大クバだが青年等の腕力には勝てず、ズシーンと地響を立て短い樹命に終りを告げ、一件落着とは執行者の裁定。
 それにしても緑の少ない昨今のもったいない話しです。

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