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1978年3月発行 広報よみたん / 2頁

豊かな農業豊かな生活のための長浜川の水資源を生かそう 豊かな農業をめざし 長浜川ダム建設計画進む

豊かな農業豊かな生活のための長浜川の水資源を生かそう
豊かな農業をめざし 長浜川ダム建設計画進む
 豊かな農業経営をめざすために欠くことのできないものが「水」です。
 我が村の土壌は通称「マージ」といわれ、琉球石灰第四紀層のほかに、白亜紀層からなり、主として珊瑚石灰岩を母岩とする壌土、及び植壌土であり、一般的に保水力に乏しく、乾期においては大小の被害を受けるものです。このような土壌条件下で農業を振興するに、農業用水の開発は大きな課題となっています。
 我が村は、北部地域に長浜川、南部地域に比謝川を有し、水資源としては整かであるが、有効利用されてないのが現状である。
 これらの河川の有効的利用を何んとかできぬものかと、二十数年も前から多くの村民の中で話し合いがなされてきたが、資源開発ともなれば莫大な資金を伴ない、具体化するにはいたりませんでした。
 しかし、近年の構造的社会不況の嵐が吹きまくる中で、農業の見なおしがなされ、時代に即応した近代的農業の必要性が叫ばれている。我が村においても、農業の構造改善事業等が進み、一万五千坪余のビニールハウス群。座喜味地区農業基盤整備事業、養豚団地造成事業など、豊かな農業経営をめざす息吹きはすさまじい。その中で、農業用水の確保は今後の農業をより振興するために大きな課題となり、農業用水開発の抜本的対策をせまられてきた。その気運が高まる中で、昭和四九年十一月、村は国・県に対し「長浜川流域の水資源開発について」の要請、陳述を行なってきた。これらの要請、陳述等に対
し国、県も我が村の農業事情等をよく理解し、昭和五○年度より今日にいたるまで「長浜川ダム建設」に関する各種調査を実施し、その結果長浜川ダムは建設可能な河川であるとの調査結果をまとめ「長浜川ダム建設」に具体的事務作業が進められてきました。
 調査結果で見る長浜川の一年間の流水量は約五〇〇万~一千万トンともいわれ、この水里は我が村の上水道使用水里年間二〇〇万トンに比べ、長浜川の水量はいかに豊富であるか、うかがえます。これらの豊富な水資源をかつ有効的に利用し、豊かな農村建設をめざすために建設計画されるのが長浜川開発の大きなねらいであります。
 次に、長浜川ダム建設の概要を見ると、まず、ダムの形状はフィルダムとされ、有効水童は一二〇万トン。その受益面積は座喜味地区、長浜地区、高志保地区波平地区、渡ケ次地区、儀間地区、瀬名波地区、宇座地区、以上八地区内における七五万坪の農地に農業用水として還元される。ダム用水はまず、座喜味城跡西側高台に貯水タンクを備え、そこから八地区の農業用地に送水管を配管し、スプリングクラー方式で散水し、干魃の心配から開放されるものです。
 長浜川ダム建設についてはいよいよ具体的な動きを示し、昭和五四年度採択及び全体設計。昭和五五年度事業着手。昭和五九年度ダム竣工というスケジュールが建てられている。
 ところで、ダム建設に必要とされる総工事費は約三五億円(民間コンサルタント試算)とされます。その内、国側が八○%。県側が十%、残り十%は地元負担で進められます。
 現在、役場内においては総体的な取りまとめの作業を進めると同時に、受益地区関係地主の同意を求める作業を進めています。すでに九〇%余の同意は得られ、また、受益地区においても「長浜川ダム建設推進委員会」が地区ごとに発足し、地域のコンセンサスをえながら事務作業は進められています。
 豊かな農業をめざすには「水」は不可決な要素です。長浜川ダムの建設は大くの村民が期待をよせています。
 村民のご理解とご協力をお願いいたします。

※写真は原本参照

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