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1979年9月発行 広報よみたん / 7頁

子供の「ウソ」について非行のきざしと親の関係

子供の「ウソ」について非行のきざしと親の関係
 「カゼは万病のもと」といわれます。いろいろな病気の”引き金”になるわけですが、そのカゼにも本格的になる前に潜伏期間があります。クシャミをしたり、体が何となく熱っぽかったり、だるかったり……こうした潜伏期間のうちに的確な処置をしておけば、大事にいたらないですみます。
 非行という”心の病”にも潜伏期間があります。早目に手当てをするためには、ふだんの”健康状態”に注意していて、変調を一日も早く察知することがまず第一です。
 非行化への”潜伏期間”に見られる典型的な症状の一つに「ウソ」があります。
 ウソをついてはいけないと知りつつも、時にはウソをついてしまうのが人間です。そこで、何のためについているのか、ウソの背景を見分けることが大切になります。
 ついてもかまわないウソ、聞いている方がウソだと心得ていれば害のないウソ、かくしごとや悪いことをしていて非行化につながるウソ-いろいろなパターンを判別することが大切です。
 非行の年齢は、反抗期とも密接に関連します。「自分がウソをつきました」というよりも「さっき自分じゃないといったのはウソでした」という方がいいにくく、勇気のいるものです。
 ウソの”追及”が、逃げ場のない厳しい追及や非難では、せっかく見つけた非行化のきざしも、つみとるどころか逆に大きくしてしまうことにもなりかねません。ウソがウソを生んでいくのです。
 ふだんから子供の”心の健康状態”をよく知って「ウソは悪いこと」と頭から決めずにその原因をよく理解してから措置すること-これが非行防止のポイントです。

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