読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1984年4月発行 広報よみたん / 4頁

人間として生きぬき平和にくらすために 4たび声高く内外に「平和宣言」 2村政に対する基本姿勢 3本年度の重点事項 4本年度の実施事項 (1)教育諸条件の整備と社会教育並びに文化活動に関する施策

〔287号2・3ページの続き〕

2 村政に対する基本施政
 私の村政に対する基本姿勢は、沖縄県民の歩んできた過去の歴史的教訓をふまえ、現在の国際及び国内情勢に思いをいたした時、読谷村という「一地方自治体」とはいえ、よって立つところは日本国憲法の理念である「平和主義」「民主主義」「基本的人権の尊重」という三原則であります。
 一方、地方自治の本旨に基づいて確立された我が国の地方自治制度、いわゆる住民自治、団体自治の観点に立ち「自治と分権」を内容とする「地方の時代」を目指し、平和で明るい豊かな文化村づくり、清新活力ある村政を主体的、創造的に進めていくことであります。
それは、
 一、平和と民主主義、人間尊重の村政を基調とする。
 一、地域の産業経済の向上安定をはかり活力ある地域づくりを目指す。
 一、民主的な学校教育、社会教育の充実と文化の発展を目指す。
 一、村民福祉の増進を目指す。
 一、明るく住みよい健康な村づくりを目指す。
 一、自治の分権の確立を目指す。

 以上の六項目にわたる考え方を基調として村政を進めていく考えであります。

3 本年度の重点事項
1.教育及び文化の振興
1.産業経済の振興
1.社会福祉等の増進
1.主渚環境の整備促進
1.国体会場の実現とそのとりくみ
1.読谷飛行場問題の解決促進
1.残波岬地域の開発促進
1.返還軍用地の跡地利用の健進
 以上の8項目を村政の重点事項として進めてまいります。

4 本年度の実施事項
 次に昭和五九年度の主な施策の概要を説明申し上げます。
(1)教育諸条伴の整備と社会教育並びに変化活動に関する施策
 本村は戦前から教育村と言われ、多くの偉大な教育者が育ってきました。教育は国家百年の大計であると言われます。高度化した複雑な社会環境の中で、苦しさにもめげず、豊かさにも驕れず、身も心も健康で明るくたくましい青少年を育成していくことは私共に与えられた重要な課題であります。世のすべての問題は「人間のあり方」「人間の考え方」にかかっていると言っても過言ではありません。公私にわたって教育を論じ、教育を進める場合に最も大事なことは時代や状況によって変わることのない「教育の原理」を把握しておくことであります。
 教育基本法の前文には「教育の基本理念は民主的で文化的な国家を建設して世界の平和と人類の福祉に貢献し個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成であり、この理想の実現は根本において教育の力にまつべきものである」と教育の原理が示され、さらに「教育の目的は人格の完成をめざし、平和的、民主的な国家及び社会の形成者として真理と正義を愛し、個人の価値を尊び、勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた心身ともに健全な国民の育成を期して行わなければならない」とうたわれています。
 教育行政は、教育の目的を遂行するに必要な諸条件の整備の確立を目標に、児童生徒が健やかでのびのびと学習できる教育環境の整備と社会教育の振興、文化活動の充実、文化財の保護育成に努め、行政・学校・父母そして地域社会が一体となって「人づくり」を展開していかなければなりません。そこで本年度における教育行政の事業として次の事業を実施してまいりたいと思います。
①教育諸条件の整備
 これまで各学校においては校舎建築を中心に教育施設の整備を進めてまいりましたが、凡そその目標も達成致しました。本年度は読谷幼稚園々舎建築工事の他、喜名小学校の体育倉庫と屋外便所建築工事、古堅中学校排水路と進入路など関連施設の整備及び教育委員会事務室の空調設備工事等を実施してまいりたいと思います。
②社会教育並びに体育の振興
 社会教育及び社会体育は人間が生涯にわたって学習していく場と健康の維持増進を目標に、村民の知識の向上と健康な生活が営めるよう各種の事業を実施していくものであります。
 社会教育活動の拠点であります中央公民館の事業としまして各年齢層に対応した各種学級の開設、文化講座やサークル活動の育成、公民館事業を実施する上で不可欠な各字公民館々長の県外研修を実施し、読書活動を普及推進していくために各地域におけるリーダー養成の事業として「子どもの本の学校」への研修派遣を実施してまいります。さらに旧年度で増改築いたしました中央公民館に常設ギャラリーをオープンし、村民一人一人の身近かな文化活動や創造活動を通して感性豊かな人間性を形成する場として多種多様な展示・発表を行ってまいりたいと思います。また、諸活動の原動力的存在である婦人団体につきましては、婦人三層活動の充実に配意し、婦人学級・リーダー研修や養成などの事業を実施して婦人の社会的知識の向上をはかってまいりたいと思います。一方、児童生徒の夢とロマンを冒険する「北と南」の交流事業は本年度で三回目を迎え、二一世紀の読谷を担う若者の養成事業として一層充実発展させていく所存であります。
 社会体育事業としましては、村民が健康な明るい生活を営めるようスポーツ振興事業を計画し、各種スポーツ教室や大会、スポーツ相談や指導者の研修を行うとともにスポーツ団体の補助育成に努めてまいりたいと思います。また、これらのスポーツを振興していくために各学校の体育施設の開放事業、古堅南小学校へのナイター施設の設置、長浜地区運動場の造成事業などを実施してまいります。

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