福祉を支える人 家庭奉仕員④
奉仕員 嘉手苅安子(五六歳) 儀間四三番地
派遺世帯
福地喜三郎(七二歳) 儀間八三番地の一
三年程前まで胃潰瘍のために、入院・退院をくり返していた福地さん。とうとう手術で胃の半分ほどとられてしまいました。それまで一人でなんとか暮らしていたのですが、退院後は奉仕員の手を借りなければならなくなりました。
五九年の四月一日家庭奉仕員に委嘱されて、福地さんの世話をするようになった嘉手苅さんは、子供五名のお母さん。忙しい家事の間をぬって五四年頃から老人世帯の友愛訪問などのボランティア活動や婦人会活動にも頑張っているハリキリ母さんです。
今では元気で庭いじりもできるようになった福地さんは「あの時は、もう死んでしまうのかと思いましたが、こんなに元気になれたのも奉仕員のおかげです。自分の同年代の人がたくさん亡くなってさみしい気持にもなりましたが、嘉手苅さんに励まされて、亡くなった人の分も長生きしなくては、という気持になっています。本当にナイス・ママさんです。」と明るく話してくれました。又、嘉手苅さんも「家族の理解もなくてはできない仕事ですが、いろいろ勉強もできて本当にすばらしいです。退院後は食事に気をつけましたが健康になったことが自分のことのようにうれしいです。奉仕員制度は読谷だからできるものだと思っています。」と話してくれました。
奉仕員 神谷敬子(三二歳) 瀬名波一四七番地
派遺世帯
儀間明栄(八一歳) 瀬名波一四七番地
八一歳という高齢の儀間さん。若い時は大変な働き者だったそうですが、ここ数年、ぜんそくで悩まされているようです。季節の変りめや、冬は特にひどくなるそうで、奉仕員の神谷さんが気をつかうのもその辺のようです。
それ以外はいたって健康で、ほとんどのことは自分でできるそうで、あまり手間のかからないやさしいおじいちゃんだそうです。
金武へ嫁いでいった一人娘が昨年亡くなり、今では、たまに孫たちが遊びにきてくれるのが一番の楽しみというおじいさん。日頃は奉仕員の神谷さんを本当のお孫さんのようにかわいがり頼りにしています。
神谷さんは、奉仕員として儀間さんの世話をするようになって二ヵ年程ですが、その他にも、近隣のお年寄を病院へ連れていったり、いろいろな頼まれごとも気軽にやってあげて喜ばれているようです。
神谷さんは「家にもお年寄りがいましたし、お年寄りの世話が大変だと思ったことはありません。お年寄りは大好きです。」と思いやりとやさしさいっぱいの人柄を感じさせました。
奉仕員 宇座ミヨ(五〇歳) 長浜三三六番地
派遺世帯
津波ント(九一歳) 長浜八九番地
九一歳の高齢とは思えないほど健康な津波さんです。若い時、大変苦労されたそうですが、現在も一人暮らしで、奉仕員の世話がなければ大変困るようす。奉仕員の宇座さんは去年の十月から津波さんの世話をしていますが、ほとんど毎日訪問して、そうじや洗たくをしたり、よく話し相手になってあげたりしているそうです。それでも訪問の時間が遅れたり、行けない日があると、津波さんは大変心配して落ちつかないということです。
宇座さんは奉仕員になって今年七年目、津波さんは三人目の派遺世帯ということですが、「奉仕員になる前は、ボランティアというのはやったことがなく、できるかどうかとても心配だったんですが、やってみると父や母の世話をしているようで本当に楽しいです。自分達もいずれは年をとるんだし、他人事ではないと思っています。」と話していました。
津波さんが高齢のため、ときどき意志の通じ合わないこともあるそうですが、「何回も同じことを繰り返し繰り返し話をするんですよ。」と言いながら、津波さんが語りかける一つ一つに、笑顔でこたえている宇座さんがとても印象的で、ほのぼのとしたあたたかさが感じられました。
※写真は原本参照