沖縄県の児童生徒の学力向上対策は重要課題である。
昨年十一一月県内小学校六年生を対象に行われた達成度テストの結果、国語、算数の総合点において中頭教育事務所管内は下位にあり、読谷村もその中にある。
本村は「学力を単に知的能力として捉えるのではなく、広く情緒や情操を含めた人間的能力、即ち全人格に結びついた主体性の確立に役立つものとし、知・徳・体の総合力である。」としており、児童・生徒の文化活動も盛んで各種スポーツの面では県下でもトップクラスにある本村は、徳育・体育において上位にあると言える。
昭和六十二年度沖縄県学力向上対策委員会の調べによると、標準学力検査の結果は全国平均を大きく下まわっているものの、知能検査においては開きが少なく見通しは明るい。
八月五日、学力向上対策地域懇談会(県教育委員会主催・村教育委員会共催)が村総合福祉センターで開かれ、父母や教育関係者ら約百八十人が参加して熱心に討議を行った。 岳原宜正村教育長は「読谷村は学力の面では他市町村に遅れをとっており大人の責任は重大である。今年六月より「読谷村学力対策推進協議会」を結成スタートさせており二十一世紀を担う子供連の為学校、家庭、地域社会が共に手を取り合い頑張って欲しい。」とあいさつ。又、山内徳信村長は「四十年余にわたる異民族支配は、沖縄・本土間に格差を生み出し、学力の面においても立ち遅れてしまった。しかし、本村の児童生徒は、文化・スポーツの面において着実に九州、全国レベルに到達し始めているところであり、学力の面でもその可能性を充分に秘めていると思われる。それらを引き出し自信と誇りを持たせる環境づくりは大人達の使命であり、より科学的見地から総力を結集し対策に臨んで欲しい。」とあいさつしました。
続いて県教育委員会の伊波清安主任指導主事より県の学力向上対策の主要施策の説明と①知能検査の結果②標準学力検査の結果③達成度テストの平均点④家庭学習時間⑤テレビ視聴時間、夜間外出等々児童生徒の学力、生活などの概況について説明があり又、大湾稔指導主事が村の学力向上施策を説明し「六二・六三年度と五教科が横一列に並びはじめ児童生従が学力向上に芽ばえつつある。自信と勇気を持って頑張って欲しい。」と述べた。
本村の学力向上対策について
本村の学力向上対策について、渡慶次小学校の大湾至教諭が「村教委指定研について」、読谷中学校の有銘兼輝教諭が「地域懇談会について」それぞれ事例発表した。
大湾教諭は村教育委員会の全校指定研に取り組んで三年目にさしかかるが、具体的実践の成果が得られつつある。各教科の基礎・基本の充実徹底、わかる、わからせる授業の推進を図る為の指導計画の作成、そして家庭学習の指導、又、講師を積極的に招き定期的校内研修を実施した結果、教師の指導力が向上した。
このように基礎学力は粘り強く実践することによって向上する。大人の役目を自覚し、手を取り合って次代を担う子供連の為頑張って行きたい。」と報告。続いて有銘教諭は「今年七月中旬から一週間夏休み期間中の子供連の生活、学習指導を図ろうとPTAの生活指導委員会が中心となり地域懇談会が持たれた。同委員会は事前に資料の作成と綿密な打ち合わせを重ねた結果、各懇談会では活発な意見が得られ、お互いの意見、情報交換の中から自分なりの解決策を見い出すことができた。その中で継続的家庭学習の強化、望ましい基本的生活習慣の確立等が指摘され、家庭、学校地域がそれぞれの役割分担を再確認出来た。」と報告した。
一方父母の中からは「学力向上対策が知育偏重になることなく、徳育・体育とのバランスを保ちつつ児童生徒に生きる力を与えるような対策を望む、その為にも教育行政側の側面的援助、予算強化が必要である。」との声があった。