⑥伝統工芸の振興
本村には、伝統工芸品として読谷山花織、ヤチムンがあります。
この二つの伝統工芸品は十四、五世紀頃南蛮貿易によって伝えられたと言われ、地域の文化と融合し連綿としてその技が今に生き続ける文化的遺産であります。伝統工芸品は、手仕事の中で庶民性と文化性を持ち、併せて経済性、産業性を兼ね備える村民共有の財産であります。
それは、その独自性、創造性から個性豊かな地域づくりの先導役として地域活性化の動きをつくり、内外にヒューマンネットワーク(人間の輪・交流)を創出する役目も果たしてきました。
本村といたしましては、これまで読谷山花織、ヤチムンを文化村づくりの柱に位置づけ、積極的な振興策をはかってまいりました。
読谷山花織については、拠点となる伝統工芸センターの建設をはじめ生産拡大・技術向上をめざし楚辺、座喜味、波平の地域工房を建設し、さらに、読谷山花織事業協同組合運営補助や後継者の育成、中堅技術者の研修、製品開発研究等に助成してまいりました。今年度もこれらの事業を継続実施してまいります。さらに、消費者ニーズの多様化に応えて、デザイン開発事業の推進と販路拡大をはかってまいります。
ヤチムンについては、本村はかつて古窯喜名焼発祥の地であることから、その立地条件を有しております。
この立地条件に恵まれている読谷の地に昭和四十七年那覇壷屋から、金城次郎氏をお迎えし、昭和五十三年には、ヤチムンの里構想を打ち出し、窯場づくりをはかってまいりました。
それをうけて、昭和五十四年には読谷山焼共同窯が建設され、県内外で注目されるようになりました。現在では村内に約二十の窯元が立地し、ヤチムンの村へと大きく発展しております。また、今年は共同窯から四名の若い陶工達が独立し第二の共同窯づくりが行われており大きく期待するものであります。
村といたしましては、今後も読谷山花織やヤチムンといった伝統工芸を正しく受け継ぐと同時に、多様な作品が村民生活の中に活かされる文化村づくりの更なる発展のため伝統的工芸産業の振興に努めてまいります。
(3)社会福祉増進のための施策
福祉行政は、村民一人びとりが支えあう関係として、地域社会も含め日常生活の中で互いにたゆみない努力を重ね、一歩一歩目標に向かって進めていくことが大切であります。
今日まで総合福祉センターを活動拠点に、社会福祉協議会をはじめ各種の福祉団体や多くの村民の協力を得て、「共に生き、共に支えあう福祉村づくり」を求め、ヰーマールの心で様々な福祉活動が展開され、社会的弱者への福祉向上と健常者の健康管理や維持増進のため諸施策を推進してまいりました。
今年度は、重度心身障害者(児)医療費助成制度の発足と高齢者ふれあい介助費の創設を含め、次の事業を進めてまいります。
本村の六十五歳以上の人口は二九一二人(平成三年一月三十一日現在)で、総人口の九・一八%を占めています。中でも、核家族化の進行などによって一人暮らし老人や寝たきり老人など介護を要する老人が年々増加の一途をたどっております。
したがって、老人福祉については、在宅老人世帯の福祉サービスを重点に、寝たきり老人への日常用具給付をはじめ、健康飲料の給付、寝たきり老人短期保護、老人家庭奉仕員のマンツーマン派遣により、きめ細かな在宅支援を拡大しつつ、村民との交流もはかってまいります。
また、老人の二十人に一人が寝たきりか痴呆症と言われております。その原因は家庭の中に閉じ込もってしまうことにもあります。体を動かさないでいると、一日に五%の筋力が衰え、健康だった老人でも三週間床につくと寝たきりになると言われています。
本村ではこれまで老人家庭奉仕員を中心に、寝たきりにさせない介護と老人間の交流を含め、デイサービス事業を展開してまいりました。その結果、日々健康を取り戻し、生きる喜びを体いっぱいに感じて非常に明るくなるなど、大変に好評を博し、村民のニーズも高まって常に十人以上の老人が参加するようになりました。
今年度は、老人保健事業によってリフトバスを購入し、老人の健康管理やデイサービスの拡大をはかってまいります。
寝たきりや痴呆症はリハビリや人々との交流によって予防できるものであり、今後は施設を利用した福祉サービスと併せて地域住民一人びとりの協力関係を大切にする地域福祉ヰーマールの組織づくりをはるかため高齢者ふれあい介助費制度を創設してまいります。また、高齢者サービス調整チームを設置し、個々の高齢者のニーズに見合う最も適切なサービスを総合的な観点から調整、推進してまいります。
更には、やすらぎと生きがいのある老後の生活が送れるよう、各単位老人クラブや各種サークル活動の育成強化をはかり、併せて家庭にこもりがちで交流の少ない老人に対する訪問運動やボランティアなど、社会の功労者として積極的に社会活動に参加していただく態勢づくりを推進してまいります。
さらに、老人保健事業の実施と特別な介護を必要とする老人のための特別養護老人ホームは、本村において最も必要な施設の一つであり、引き続き設置を要請してまいります。
私たちは、心身の障害の有無にかかわらず社会の一員としてあらゆる分野で活動し、誰もが家庭や地域で明るく暮らす権利があります。しかしながら、障害者を取りまく諸情勢は厳しく、その有する障害に加え、医療の給付を必要とする機会が多く、本人の肉体的精神的負担はもとより医療費の増大は家庭においても大きな経済的負担となっています。このような障害者の健康保持と家庭生活の安定をはかる立場から、重度心身障害者(児)医療費助成制度を発足させてまいります。 また、社会福祉八法改正により、村の給付事業となった重度身体障害者日常生活用具給付事業を開始してまいります。
精神薄弱者(児)福祉につきましては、授産施設読谷福祉作業所の運営補助を継続するとともに、かりゆし学園への運営補助を増額し、併せて父母の会やボランティの方々への助成を行いつつ、活動内容の充実強化をはかります。
次代を担う子ども達の育成は最も重要なことであります。近年女性の職場進出などによって、保育に欠ける乳幼児が増えています。
こうした保育に欠ける乳幼児の福祉増進のため、保育箏業の内容充実をはかり、また障害児保育を強化するため、障害児母子通所「ふくぎ」の保育事業への運営補助を増額するとともに、母子寡婦福祉の強化に努めてまいります。
社会福祉増進のためには、民生委員・児童委員協議会とのタイアップは必要不可欠なものであります。今日、各地域で民生委員・児童委員の積極的な活動により保護指導が行なわれ、生活意欲の向上がはかられており、その活動が更に展開できるよう連携を深めてまいります。
人間の幸せの第一条件は健康にあります。そこで、村民の健康づくりの態勢を整えるとともに、村民自身も自らの健康づくりに取り組まなければなりません。
保健事業の一分野を担う診療所の役割は大きく、これまで環境保健課との連携のもとに住民検診をはじめ各種の予防接種、職場検診、人間ドック、さらに老人保健事業、母子保健事業、健康意識啓発事業等を実施してまいりました。
今後も診療所は村民の健康管理センター的な役割を果たす場所として、健康増進、疾病予防など予防医療の充実強化をはかりつつ、他の医療機関と連携を密にし疾病の早期発見、早期治療を促進してまいります。
また、高齢化社会に入り、成人病の低年齢化が社会問題化しつつあります。したがって一次予防的な村民の健康づくり事業は極めて重要となっており、自分の健康は自分で管理するとの意識を高揚するため「健康づくり村民のつどい」を開催し、各自で健康度チェックを実施して健康で明るい村づくりをめざします。
さらに、現代医療の中で漢方や針、きゅう等の東洋医学が見直され、その需要も高まってまいりました。そこで本年度から国保加入被保険者を対象に、針、きゅう、あんま、マッサージ等の治療を要する人々に対し、その経費の一部を国保で負担することにいたしました。併せて、健康管理のため人間ドツグを受診される被保険者に対しても同様の助成措置を構じ、村民の健康保持増進に努めてまいります。
※続く。