平成六年三月十日午前、本村の三月定例議会の開会前に、議会の議場内で琉舞を披露するという画期的な催しが行われました。
優雅な舞いで議会開会に華をそえる
これは、読谷村立美術館の長浜真勇さん(村文化振興課係長)の発案によるもの。
議会での上演目的は、胎動の場として日夜、村民の快適な生活基盤の創出に頑張っておられる読谷村議会議員の皆様に、芸能浴を味わってもらうのをねらいとして「読谷村議会に芸能の魅力を届ける会」を発足。議場内で芸能を上演するという前代未聞の試みとその実現には、同会の趣旨に快く賛同した本村議会議員の深い理解心と協力の下に実現した。
この日の議会の開会風景は、これまでの開会とは一風変わった演出が展開された。議員の方々も同会の奏でる三線演奏にのって議場に入場し、議席に着席。続いて「かぎゃで風」などの斉唱がおこなわれた後、優雅な琉舞「かせかけ」が披露され、議場を魅了した。
上演の後、儀保輝和議会議長は「三月議会の冒頭に、華を添えて頂き、大変ありがとう」とお礼を述べ、また、議員諸氏の間からも感謝の言葉が漏れていた。
議場内での古典音楽や琉舞が披露されるのは県内、国内を含め、おそらく本村が初めての試みではないだろうか?。
発案者の長浜さんは、活動趣旨(企画書)の中でこう語っている。
『人々は芸能にふれるとき言いようのない感動を覚える。
なぜでしょうか・・・・・・。
それは、人間が支え合って生きた古より、芸能にたくましい生命力が吹き込まれ、それが連綿と受け継がれてきたからである』と-。
また、議場での上演が実現したことに関し「私達は、芸能の魅力を、日常的に気軽に提供できればと思っている。これを契機に、村内の全ての場所が芸能活動の場になり得ると考え、オペラや洋舞などのいろんなジャンルをおり混ぜた芸能を上演していきたい」と抱負を語った。そして、議会の議場で初めて琉舞を踊った山城亜矢乃さん(十八歳)は、「小学三年生の頃から琉舞をならっているが、今日は前後左右に人がいるので少し緊張した。でも、議場で踊れたということは、私の一生の思い出になります」と感想を述べた。