(研修報告)
ブラジル・サンパウロから今年四月、初めて沖縄にやってきた天久静香さん(20歳)に、沖縄での研修の様子や古里への思い、半年間のいろんな出来事などについて、研修報告という形で書いてもらいました。
ブラジルの中で「うちなーんちゅ」として生きていく彼女の素顔が見えてきます。
私の夢は日本で勉強することでした。ブラジルで研修生の受け入れの話があり、応募しました。沖縄に来るまではとても不安でした。というのは経済的にもかなりの差があり、習慣等も大きく違うのではないかと思っていたからです。でも、いま沖縄にいて、すべてがブラジルとは反対ではないということを実感しています。
私が沖縄にきてとても感動したのは海がとてもきれいなこと、街や道路が清潔なこと、そして人々の知識・教養が豊かなことです。また、戸惑うことは、交通方法がブラジルと反対で、車と人が左右逆になっていることです。それで車に乗るときや、道を横断するときは頭の中がいつも混乱してしまいます。
ブラジルと日本はお互い地球の反対側に位置しています。しかし、日本から多くの移民の人たちがいて、言葉や食生活、祭り等の習慣は沖縄と同じように行われます。今の「うちなーんちゅ」は「内地」の生活習慣に近づこうとしています。「うちなーぐち」を話すことが少なく、特に若い人はあまり使いません。でも、ブラジルでは違います。ブラジルの「うちなーんちゅ」は、「うちなーぐち」をよく話します。昔の言い伝えや生活習慣を大切に子供達に伝えており、ゴーヤー、ナーべーラー等の食べ物も沖縄と同じです。でも味付けは違います。
沖縄にきて少し悲しく感じたのは、世代交代と共に「内地化」し、昔のよい習慣を忘れてしまっているのではないかということでした。
ハートはブラジルでも、考え方や生活習慣は純粋な「うちなーんちゅ」である私にとって沖縄は生活するにはとてもいいところです!
初めての琉球舞踊
小さいときから沖縄の踊りはあまり好きではありませんでした。いつも父に沖縄の踊りを習いなさいといわれていましたが、私はバレーが習いたくてよく父と喧嘩しました。沖縄の踊りはテンポがゆっくりで、曲も暗い感じがし、何が表現されているのかわからなかったことが原因でした。
沖縄にきて初めて琉球舞踊を習う機会が与えられ、同じ世代の友達もでき、新垣満子先生に親切に指導していただき、さらに踊りが何を表現して踊られているかを教えていただきました。私は踊りが何を表現して踊られているかを知ったとき、それがとてもきれいで素晴らしいことに感動しました。
九月十八日の波平区の観月会では「かせかけ」を踊ることを勧められ、難しそうで断ろうかと思ったのですが、勧めていただいた知花邦子さんは、私にこの踊りの意味を教えてくれました。それは、遠くにいる好きな人のために機を織り、相手を思う女性の気持ちが表現されていることを教えてくれたのです。私はそれを知って、ぜひ踊ってみたいと思いました。それに、波平は父の出身地なので、お父さんの生まれ育った波平で踊れたらきっといい思い出になると思い、必死に頑張りました。本番は緊張して、もしかしたらすべて忘れて何もできないかもしれないと心配したのですが、最後まで無事に踊ることができて、とてもうれしかった。「ブラジルからきて短い期間でよくここまでできた」とほめられました。沖縄の踊りをやって本当に良かったと心から思っています。
研修旅行
八月には与那国、八重山、宮古への研修旅行にも行きました。与那国はちょうど台風が通過した直後で、家が壊れ、道路があちらこちら通れなく、また大きなトラックが倒れているなど、台風のすごい被害を目にして、とても驚きました。でも、とても素敵なところで、私が沖縄のどこかに住むことができるとすれば、きっと与那国だと思います。
石垣島や竹富島、西表島など、八重山の島々や宮古島の生活習慣や風景、いろいろな織物など印象深いものでした。宮古島では運良く「オリオンビール祭り」が開かれ、きれいな花火も見ることが出来ました。でも、狭い与那国島で三回も道を間違え、宮古でも一回道に迷ってしまった小橋川さんには、ほんとに困ったものでした(笑い)。
おわりに
私のためにいろんな人がこんなによくしていただいて、ほんとうに感激です。十一月にはブラジルへ帰ります。この半年間でできた友達との友情や琉球舞踊の新垣満子先生と研究所の先輩方やポリテクカレッジの先生方が親切に教えていただいたコンピューターの技術も忘れずに、ブラジルでもまたいろいろな勉強をして一生懸命頑張りたいと思います。
沖縄にきて、生活習慣、文化などとてもいい勉強になりました。皆さん本当にありがとうございました。いつの日か、また沖縄に来れることを夢みています。もし沖縄にまた来られたら、仕事もしながらもっといろんな勉強もしたいと思っています。特に日本語の中でも漢字の勉強がとても大事だと思っています。
最後に、私の詩で終わりたいと思います。
あなたと過ごした日々は
さほど大事なことではありません
あなたと心が触れ合う瞬間が大事なのです
心からありがとうございました。
ムント オブルガード
さようなら!
天久静香
※ブラジル語で本人が書いた原稿を、彼女なりの日本語で訳してもらい、海外移住者子弟研修生受入事業担当が整理する形で原稿と致しました。