読谷の自然(45)鳥類【冬鳥】魚を食べるタカ ーミサゴー(ワシタカ科)
タカの仲間と言うと、「サシバ」のようにネズミやバッタなどを捕らえてエサにする姿が一般的に想像されます。しかし、このミサゴは魚しか食べないタカで、主に海岸線やダム湖などで生活します。
大きさは約60㎝と大型のワシタカ類で、羽を広げると1m70㎝にもなります。この鳥はまた、環境庁によって作成されている日本版レッドデータブックの中で環境が少し変化すると絶滅のおそれのある「危急種」に指定され、保護の対象とされています。
海岸線をゆっくりと飛び回りながら、海面近くに魚が浮いてくるのを見つけると、勢いよく真っさかさまに飛び込んで魚を捕らえます。大型の鳥が水面にダイビングするわけですから、「バシャーン」と大きな音がでて、見ているものを驚かせるくらいダイナミックな狩りをします。
体は背中が全体に黒っぽく、頭頂部やのど、胸、腹部が白く目立つ鳥で、海岸線を飛ぶときには海風を利用して、羽ばたくことなく羽を広げるだけのゆうゆうとしたソアリング飛行をします。
村内では残波岬の海岸線や長浜ダムなどで越冬します。
文・沖縄県立博物館学芸員 嵩 原 建 二
【校正済み】