保育の窓 十三
子育て仲間 見つけましょう
「おはようございま~す。あれ、先生今日お休みじゃないですよね」毎朝、その日一番に支援センターにやって来たママたちの言葉。時計は九時三〇分を回り一階の読谷保育所からはそれはもう元気溢れる子供たちと、早くお迎えに来る約束を交わして職場に向かう保護者の声、それに対応する保育士たちでにぎやかな朝がスタートしています。それにくらべ支援センターでは時間がゆっくり流れます。時間があることで早く早くではなく、子供が満足するまで待ってあげるなど心にゆとりが出て穏やかな気持ちで子供に接するママたちでいっぱいです。
畳間で必死にハイハイをす
る男児。気持ちとは裏腹にどんどん後退りし、その度部屋の真ん中に連れてくるママ。ところがある日を境に何と彼が前方へのハイハイができ、自分の行きたい場所に行けるようになって大喜び。彼にとって未知との遭遇、小さな社会進出ですね。「すごい、すごい!」と周りからは大きな拍手。もちろん成長を確認した母親の喜びは大きく感動で目もうるうる。
そしてその喜びを他のお母さん方も共感しているのです。その日から我が子だけみていたママに少しゆとりが出て、その手、その目、その声を他の子供たちに向けることで新しい子育て仲間の輸がどんどん広がっているのです。
去った五月から親子で子供の年齢のクラスに入り集団保育を経験するという「クラス交流保育」を開始しています。期待と不安でいっぱいの親子を「おいで、遊ぼう」と保育所の子供たちが温かく迎えてくれます。保育所で一緒に過ごした親の方は、子供たちがしっかりしていること、思いやりがあることを感じ、子供の方はいろいろな遊びを皆に教えてもらっています。その様子はまるで以前からの友達のように見えるから不思議です。「『またおいでね。遊ぼうね』と見送られ最高に楽しかった」と話しています。
はじめは、「知らない親子ばっかり」、と思っていた支援センターも足を運ぶ毎に自分の子供の名前を覚えてもらい、相手のお子さんの名前がわかるようになります。するともうあなたは、ひとりではありません。子育て仲間をいっぱい見つけましよう。
文・子育て支援センター
主任 新里千代子