読谷の自然(94)昆虫類【チョウ類】33~ジャコウアゲハ~(アゲハチョウ科)
沖縄の春をつげるチョウです。一月下旬には新しく羽化した成虫が見られるようになります。成虫はそのころに咲いているカンヒザクラやダイコンの花にやってきます。成虫は年中見られます。中型の黒いチョウで、体がピンク、後ろバネにもピンクの紋があります。体から独特のにおいを発します。オスのハネは黒色で、ビロードのような光沢があります。メスはオスに比べ白っぽい色をしています。
林のまわりでふつうに見られ、林縁や林の中をゆるやかに飛んでいます。幼虫の食草はリュウキュウウマノスズクサとコウシュンウマノスズクサです。メスは食草の葉に近づくと、はばたきながら前あしで葉の表面をたたき、それから葉にとまって卵をうみます。チョウのメスの前あしの先にブラシ状の毛があり、これが食草の「におい=味」を感じる器官になっています。メスは前あしで食草かどうかを確認しながら、食草に産卵します。
中国、朝鮮、日本、台湾に分布し、国内では本州以南に分布しています。県内の諸島ごとにハネの色や形に特徴があり、それぞれ奄美・沖縄諸島亜種、宮古諸島亜種そして八重山諸島亜種に分けられています。
文、沖縄県ミバエ対策事業所 小浜継雄
写真、沖縄県立博物館 嵩原建二