読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

2004年4月発行 広報よみたん / 13頁

読谷の自然(95)昆虫類【チョウ類】34 ~イワカワシジミ~(シジミチョウ科)

読谷の自然(95)昆虫類【チョウ類】34 ~イワカワシジミ~(シジミチョウ科)

 前翅の長さが二㎝に満たない小さなチョウです。シジミチョウの仲間には後翅の先端に尾のような細長い突起があります。これは「尾状突起」と呼ばれ、小さなチョウが身をまもるための大切なものです。
 このチョウも尾状突起をもち、その付け根にはくっきりとした目玉模様まであります。また花で吸蜜している時にも、この突起をこすりわせるようなしぐさをさかんに行います。本種の後翅後角部は反り返っており、後翅をこすりあわせると対面するもう一方の後翅端にある尾状突起にふれ、まるで本物の触角が動いているように見えます。つまり、本物の頭部と反対の場所によく目立つ「にせの頭部」をもっているわけです。鳥などの外敵におそわれた場合、この「おとりの頭部」に攻撃を行わせることにより、後翅がつつかれてやぶれることがあっても、チョウは致命傷を負うことなく反対方向へ逃げ去ることができます。これは小さなチョウが進化の過程で命をまもるすべとして獲得したものでしょう。
 幼虫の食草はクチナシで、その果実や花、新芽などを食べて成長し、成虫は三月~十二月に見られます。
 奄美以南の琉球列島から台湾、中国大陸南・西部、インドシナ半島、マレー半島、スマトラなどを経て、アッサム地方まで広い範囲に分布しています。村内でも御嶽林のようなまとまった森林の林縁や農耕地わきなどで普通に見られます。
文、沖縄県立博物館
     嵩原健二
写真、沖縄県ミバエ対策事業所
     小浜継雄

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