就任の挨拶 村長 伊波俊昭
村民皆様の御援助と御協力を得まして一九五六年四月九日前村長喜友名正謹氏の後を継いで村長の要職に就任することが出来ました事、厚く御礼申し上げます。欠員になっていました助役も去る五月十七日に議会の承認を得六月一日から就任、亦六月二十六日で任期満了した収入役も六月二十八日の村議会の承認を得て前収入役が再任され、これで村三役も完全に揃い役所の人用に一段と活気をそろえることが出来ましたので此の上は全村民皆様の御期待に沿えますよう一生懸命努力することを御誓い致します。
この機会に村長としての施策の大要を申し上げたいと思います。
一、行政事務の強化について
公務の民主的且つ能率的な運用を確立するため綱紀を粛正し事務の簡素化と能率化に努めたいと思います。これがためには職員を適材適所に配置し役所職員の処遇改善の必要を認め増俸、年末手当、その他の手当と共に特に職員の事務研修を行い、その素質の向上を図り村民に忠実なる公務員たらしめたいと思います。更に税務及び軍用地問題等の事務量の増加に伴い二名の増員を期して微税事務の完璧を期したいと思います。
部落行政については公民館の普及を図りその活動を通して村民の教□の向上、健康の増進、情報の純化を図り、生活文化の振興と社会福祉に努める所存であります。
二、経済自立体制の施策について
市町村振興計画の立案を全流的に発足せしめて実践の強化を図り以って経済自立への体制を整えんとする琉球政府の施策に則り本村に於いても経済振興計画を樹立し本村経済施策の指針とし、その政策に総合性と一貫性を与え亦目標達成のために琉球政府への援助を要請する基礎ともなる読谷村経済振興計画を樹立したいと思います。
三、経済振興の施策について
1.糖業振興について
今年は戦後の読谷村糖業再建史上特筆せらる一年になりませう、耕地の大半を軍用地に接収された。現在農業による現金収入の途は全くとざされ不安定な肉体労働的軍作業と零細な副業的養豚にたよる畜産収入に依存しているのが経済現況であります。しかるに軍労務の縮小や豚価の暴落は村民の生産意欲を失はしめ今後の農業家経済上重大な問題でありまして、この解決策として第一に糖業の振興を図るべき事は衆目の一致した施策でありますので即ち
(イ)農業共同組合の設立する五〇屯製糖工場建設計画に対しては積極的に物心両面の援助をなす
(ロ)原料甘蔗の増産に対しては蔗苗受給のための助成と荒蕪地解消運動を推進し助成をし原料確保に務める所存であります。
2.畜産業及び養鶏について
極端に零細化された経営規模である本村農業経営を合理化し農家経済を安定せしむるには経営の多角形立体化が必要なのは論ずるまでもありませんが、特に前述した糖業振興と併せ考えるとき堆厩肥の増施による地力の維持増進、畜力の利用による生産性の向上とともに家畜及畜産物により現金収入の増大を図るとともに駐留軍向けの養鶏振興により鶏卵の供給も考え凡ゆる面から経営の合理化を図るよう指導の強化をなし又役肉牛と種鶏購入に対しては特に購入助成を計画しています。
3.その他農業物の増産対策について
蔬菜の自給体制を図るため苗圃の育成、種子代の助成を図ると共に病害虫の発生予察と異状発生に対策に務め亦螟虫、アフリカマイマイ等の害虫等の買い上げを計画してあります。水稲、甘藷、甘蔗等の品種更新については政府の施策により事業を進める所存であります。
4.生活改良普及事業について
一九五五年十二月より政府の援助により選任職員が置かれるようになり農業改良普及事業の一環として農家生活にとって必要な衣食住の改善、家庭経済、家庭管理、行事の合理化及び育児保健衛生等すべての生活面に亘る実用的な知識、技術、普及を図っているが、今年は特に生活改善グループの育成に務めその活動を強力に推進したい思います。
次頁につゞく