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1957年2月発行 読谷村便り / 2頁

農家手帖(大豆と玉蜀黍間作について 農産加工について)

農家手帖
△大豆と玉蜀黍間作について
 最近養鶏のさかんになりつつあるのと相俟って玉蜀黍の飼料としての需要が多くなるばかりでなく、製粉して味噌原料やその他食糧に利用されるので、栽培も多くなりつつある。
 玉蜀黍を単作する犬の土地の余裕があればそれにこしたことはないが、土地が狭い所では玉蜀黍を単作することは、土地利用上不経済であるから、大豆の間作をおすすめしたい。耕地の狭い沖縄では特に土地の高度利用ということが考えられる。この作物も作りたい、あの作物もつくりたいという場合に、限られた小面積で単作だけでは間に合わないことがしばしばあるから、間作か混作かしなければならない場合がある。間作するときには作物の特性をよく考えて組合わせを選ぶことが最も重要で、何でもかんでも間作した場合は、かえって減収を招くことである。大豆と玉蜀黍の間作は、農研所の試験の結果良好の組合せであると思うので成績を紹介したい。間作の方法は先づ大豆を単作する場合と同じように畦巾一尺五寸の作條を切って施肥を行い、普通のように播種する。そして大豆の作條三畦毎に、その畦間に玉蜀黍を株間四尺に三ないし四粒播く。従って玉蜀黍の畦間は、四尺五寸となる。発芽後、間引きをして一株二本立にする播種は、大豆と同時で肥料は玉蜀黍の分だけ余計施す玉蜀黍の土寄は、追肥の度に一寸から二寸位づつの高さに周囲より土を寄せて倒れない程度に三ー四寸位根元にもり上げてふみつける。「アオクサガメ」の発生があった場合はBHC水和剤で駆除する。
 次に三ヶ年の収穫成績を示す。三ヶ年の収穫成績より大豆は、玉蜀黍を間作すると、単作の大豆より反当一斗四合七勺収量は減っている。然し間作の玉蜀黍は、反当一石四斗三升八合も収穫出来ているので、間作するのが得であるといえる。このようにして間作しても大豆に大した影響を与えず両方とも相当な成績であるから間作は適当だと思われる。なお、栽培面も植付準備や発芽後の管理は幾分面倒であるが(作業が困難だというわけ)播種の適期が同時であることなども好條件であり在圃期は、玉蜀黍が二週間内外遅れるが、甘藷の植付適期に間に合うので輪作の上からも都合がよい。よく、大豆を作れば土地が肥えると云われ、反対に、玉蜀黍を作れば土地がやせる、といわれるが、大豆に玉蜀黍を間作すれば、地力維持調節にもなるので、適当である。玉蜀黍は勢力の強い吸収力の旺盛な作物であるので、肥料分が少なければ跡作に影響を及ぼす。しかし玉蜀黍に必要な肥料を施して栽培すれば、土地がやせるということは考えられない。間作玉蜀黍の五株分の肥料は、堆肥八三三匁、硫安三四匁、過石三四匁、塩加九匁となっています。
 以上申し上げました点からして、大豆に玉蜀黍の間作は適当と思いますので、来る二月の大豆畑には玉蜀黍の間作をおすすめいたします。

三ヶ年の収量成績表
※表のため本文を参照。

△農産加工について
 私達が日常欠くことの出来ない三度の食事に食卓をにぎわし食欲をそそる漬物といたしまして先づ第一に私達農家で多く生産出来るタマナ、大根の速成福神漬をおすすめします。造り方は至って簡単で、誰にも手軽に出来て安くて美味しく出来る漬物を紹介致します。
◎福神漬の造り方
(1)タマナ、大根を1.5 ミリ位に細かく切り、塩をまぶして、しっかりもみ袋に入れて重しをかけ水分を充分取ります。
(2)鍋に醤油と砂糖、味の素を少々入れて沸騰させその中に(1)の品を入れ三分間位熱を興えて、ビンに詰めておきます。いただく度に上下をかくはんすれば一週間位は置けます。

◎椿漬の造り方
(1)大根をカンナで平たくおろし、一寸塩をまぶして水気をとります。
(2)ショーガを細長く切り(1)の大根でくるくる巻き上げてビンに詰めます。
(3)水四合に、酢二合、砂糖六〇匁の割合で液を作り(2)の品にそうっと上から注ぎます。

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