読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1958年1月発行 読谷村だより / 4頁

「村の歩み」を見て 一老人

「村の歩み」を見て
一老人

 村当局においては、新読谷村建設十周年を記念し、わが村の昔から今日に至るまでの村の歩みを、ありのままの姿で描き出し普く村民に示し是から益々発展の意気を示さる洵に欣快に堪えない。
 之を計画し編集した村当局に対し深くその労を謝すると共に之に協賛を与えてこの大事業を成就せしめた村議会に対してま敬意を表す次第である。
 「古きを尋ねて新しきを知る」という言葉があるが是から発展せんとするには先づその過去を省み、現在を見つめ、将来を考えて出発するのが順序であって村や学校等が記念式を挙げる趣旨もここにあるのである。
 去る十二月に仲西校が五十五周年記念式を挙げられたがその記念誌に仝校長が「三十五周年の記念誌が字宮城の西平蒲安さんによってブラジルから持ち帰られた世界に二冊とない貴重な文化財となった。それによって仲西校の創立の歴史が明確になり先輩の魂は完全に引きつがれたことになる」とあるが今回発行のわが「村の歩み」を読んで私は更にその感を深くするのである。戦災で総てを失ったわが村の政治行政、教育文化、産業経済あらゆる方面の資料え収録せられたこの大事業はこの機会を逸したら到底出来なかったのであり、この冊子は実に得難いわが村の貴重な文化財である。今や村役所の新庁舎は出来、村の歩みも出た。足ぶみせずに進んで行ったら二十周年記念にはどんなに発展するか私はそれを期得する次第である。

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