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1959年8月発行 読谷村だより / 2頁

曲線美

曲線美

 「美」と云う事は個々観察する人に依ってその美的価値が大小異なる文明はわけの分からない無茶苦茶な絵画がその実質的美を高く評価するから古チブルーには幻滅の悲哀を感ずる事すらである。然し乍ら若い和装の麗人や、コカコーラータイプの乙女等の風に吹かれて裾をたくし上げられるあでやかさは古チブルーにも又魅力の的。
 ちんぷんかんぷんこの頃の炎暑いから見事台風エレンお嬢さんによって涼に接した昨今、各部落から提出された統計調査表が役所の一隅に大げさだが山積されている。そして係職員がその整備に大わらわ、一体何の為に・・・。
 統計、経済、普通の人には無味乾燥 縁遠しい言葉である。従ってワッタがナンジした共進会に展示される統計図表等人目に奇抜に写り、よく見て呉れない。それも内容を充分表現出来ない私共の立体感のない単純な色彩に興味を損う事は充分考えられるが、村経済の発展を図る大事な基礎資料は飽く迄統計であって、村の実状を数字で捉え実態を究明して始めて将来の真の計画が生れる。
 今年度は統計調査費が削除されたので各区長さん方に手を頬らわして、責めて人口、産業別業態別の分類畜産、土地耕成等のアウトラインでも把握出来る様統計調査を実施した。
 村民経済の循環構造を把握し一貫した形でとらえる為には村民所得を推計しなければならない。村民所得とは簡単に表現すると「一定期間に於て或る国の居住者によって生産活動が行われ、その結果として得られる現金現物の純収入或はもうけである」といわれているがその意味の内容は大変複雑であり色々な統計資料が必要である。
 本校では一九五七年に政府の市町村振興計画樹立事業に基いて、生産業の振興、村民生活の安定と向上、将来発展の為の経済基盤の強化、の政府趣旨に則って村の実態調査を行い、これを基にして計画を樹立しこの計画を推進実践して三年遂次軌道に乗りつつある。
 当時五万円の予算で村の実状に即して合理的に実現性のある振興策を立てるために、村の実態を広く深く総合調査し、村民所得を推計して一編の実態調査書と計画書をつくった
 そして三年度の今日は果たして本村の経済はどの様な迂曲線を画いただらうか興味深い。そが統計による数字で示されれば正しい方途が開かれるだろう。
 ドイツの偉大なる詩人ゲーテは「数字は世界を支配するというがそうではない

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