読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1960年4月発行 読谷村だより / 3頁

カやハエ、ネズミのいない村に(一)

カやハエ、ネズミのいない村に(一)
 これからだんだん暑くなりますといわゆる伝染病のえんまんする季節となってまいります。病気と貧乏とは切っても切れない密接な関係にあると云われています
 それは病気をすることにより多大な出費をよぎなくされ、経済力の如何により貧困なため人間活動に必要な栄養素を充分とることが出来かねるため病気を誘発する原因ともなり、あるいは貧困からくる生活環境が不衛生なため病気が発生するためだと思います。
 そこで私達は病気のない健康で明るい住みよい家庭や部落、村を建設するためにはまづ私達の周辺をうるさく飛び廻り伝染病のばいかいをするカやハエ、ネズミをぼく滅しその発生源をなくすることによりかような衛生害虫は一匹も居なくなり文化人としての誇りを持つことが出来るのじゃないかと思います。
 衛生害虫の駆除は各個人各個人高価な薬品を使ってばらばらに実践したところでその目的を達成し効果を発揮することはできません。
 一地域(部落又は班や組)の一人一人が一丸となり協力し合い実践することにより新の効果があるものです。役所においては伝染病のシーズンにそなえ衛生用薬品して各部落に配布するようにしております。
 村民の皆様も害虫を見たら必らず殺し発生ヶ所は必らず除去やその他の方法を施す習慣をつけ日頃の「ハエをおえ」の言葉も「ハエをころせ」に改めていただきたいものです。来月五月八日から十七日まで十日間夏季清掃運動が始まりますので次にカとハエ、ネズミのいない健康で明るい住みよい家庭や部落や村にするためそれらの駆除方法についてお知らせしましょう。
 カ、ハエ、ネズミの駆除にあたる場合安い経費と少い労力で最も大きな効果をあげるためには、先づそれらの生能、つまりどこで発生し、そんな発育繁殖をしどのような活動をしているかについて正しい知識を持つことである。そしてその生活史や習性に従って最も弱い点をつくことである。
 薬品がいくら沢山あってもまた折角みんなが一生懸命仕事をしてもそれが正しい知識と理解を基礎として効果的に行われない場合にはむだが多く、またその効果も少いものです。
 そこで先づカとハエ、ネズミの効果的な駆除を行うために是非知っていなければならないことは次の如きものです。

一、カについて
1、カの種類
カは日本で六○種ほどが知られているが、衛生害虫としては次のようなものである。
※表になっている 原本参照
2、カの生活史
カの一生を表示すると次のようになる。
※表になっている 原本参照
成虫は一~二ヵ月の寿命を保ち、血を吸うものはメスのみである。マラリアはハマダラカで、フィラリアはシナハマダラカ、アカイエカ、トウゴウヤブカ、デング熱はヒトスジマシカ、日本脳炎はコガタアカイエカアカイエカによって媒介されます。
3、カの発生場所
カの幼虫であるボーフラの発生するところは必ず水の溜っている場所である。その発生場所は種類によって夫々異ってくる。
同じ種類のカは同じ種類の場所に卵をうむ習性のあることが知られています。
では、どんな水たまりに、どんな種類のカが発生するのでしょうか。次の一覧表はこれを簡単にまとめたものです。
※表になっている 原本参照
4、カの駆除法
発生源の除去
カの産卵場所、すなわちボーフラの発生場所は汚れた水たまり、よどんで流れない水域であるから水たまりをしらみつぶしになくしてゆくことが根本である。
イ、つまって流れない溝や下水はよく掃除して流れをよくする。
ロ、空ビン、空かん、茶わんのかけら、竹の切株などはづかのところにも雨水がたまるとボーフラが発生するから、ひとつひとつこれを片ずける。
ハ、用水桶には、完全なフタをつけるか、毎週一回水をとりかえる。
二、除去できない池や水槽には魚をやしなうこと。
ホ、墓地の花立や水ばん等には砂を入れてボーフラがわかないように工夫をする。
ヘ、溝、川、池のまわりの雑草はカのすみかとなるから刈りとる。
ト、どうしてもなくすこと

利用者アンケート サイト継続のために、利用者のご意見を募集しています。