役所　知らせる義務＝知る権利　村民

第四回財政公表　
告示第二十四号
　1960年度読谷村才入才出予算について追加更正予算の状況、決算見込等に関する文章を作成いたしましたので市町村自治法第177条の規定により公表いたします。
　1960年7月
読谷村長　知花成昇

まえがき
　読谷村の財政公表も今回で第四回をかぞえ、その公表の趣旨も一応達成されつつあると言えましょうし、そしてまた財政公表に対する村民の理解も遂次深めて来たものと思います。
　財政公表は年二回、そして出来るだけ詳しい資料を以つて説明すべきでありますが時期的にこの七月は旧年度の整理事務と新年度の事業計画と運営、更に軍用地借賃支払業務等で煩雑を極めておりますので今回は一九六○年度第一回分として追加予算を中心としたところでその責任を果たしたいと思います。
　願わくばこの公表を通して広く村民の御批判と御協力を仰ぎもってよりよき村政を運営させていただきたく御要望申し上げる次第であります。

一、事務引継について
　御承知の通り前村長伊波俊昭氏は去る四月八日任期満了により退任されましたので不肖私が其の後を受けて四月九日より村長に就任したので御座います。従って去年六月前村長伊波俊昭氏が一九六○年度予算議会において公表されました施政方針や予算に伴う諸事業の未執行の部分は直接私に引継がれたのであります幸にして当時より私は助役の職で前村長の補佐役として働かしていただきましたので善政を施かれた伊波村長から引継がれた施政の末執行については聊かの疑問もなく誠実に処理する所存であります。一九六○会計年度の四、五、六の三ヶ月は夢の如く過ぎまして当該年度における諸事業の運営は全面的に終了いたしました。それで七、八月の整理期間内に未執行分の出納面を処理するだけとなりましたがその執行卒も順調な歩みを見せており立派な決算を仕上げたいと最善の努力を傾注している次第であります。

二、追加予算について
　一九六○年度の当初予算額は八九、三八九ドルでありましたが年度中途において七日にわたり一一二、○四四弗が追加され、年度末に至る予算総額は二○一、四三三ドルというぼう大な予算となり予算規模においてかつて見たことのない最高額を記録しているのであります。ところでこの追加予算の編成に当っては特に重要性、緊急性、効果等について充分検討いたしましたところその何れも必要止むを得ないものばかりでありまして、その財源は非細分地賃貸料と財産収入、政府補助金等が主として充当されているのであります。それでは才出の面から申し上げますと戦災部落復興助成金が三一、九三七ドル、基本財産造成基本金積立金が三八、四六六ドル六六セント、長浜、瀬名波、渡慶次儀間を区域とする簡易水道施設費が一○、一二八ドル比謝川配電、三和銀行、沖縄配電社株式購入金五、三一○ドル、昨年十月に来襲したシャロット台風と十一月のエマ台風被害による主要農産物の災害対策費に五、三二六ドル、村内各小中学校のミルクとパン給食施設費と村青年会、村遺族会補助金に四、七九五ドル、失業対策事業費に四、三四七ドル、荒蕪地解消助成金に三、八二○ドル、煙草乾燥室補助金其の他補助金一、八六六ドル、古堅小中学校敷地購入費一八四ドル、財産管理費八六九ドル、火葬場運営費一四二ドル、計一○七、一九○ドルが事業費として追加されました。
　それから退職給与金として一、八○一ドル、住民登録調査費が七八○ドル、住民登録準備事務、土地等級台帳、土地台帳整理事務、超勤手当、議員の費用弁償其の他で二、二七三ドル計四、八五四ドル事務費として追加されたのであります。
　才入については雑収入が八一、八三三ドル(非細分地賃貸料)、財産収入が一○、三○五ドル(村有地賃貸料)、政府支出金が一一、九一六ドル、(失対事業補助金三、一八五ドル、住民登録費補助七八○ドル甘蔗苗圃設置四七○ドル、自給肥料増産四四三ドル、樹苗生産七四ドル、民有林造成四○ドル、病虫害防除資材購入二九ドル、水道施設のため高等弁務官資金から六、三一○ドル、軍用地借賃支払業務委任手数料交付金五四六ドル)、市町村交付税五、○七六ドル、繰越金二、九一○ドル、以上一一二、○四四ドルが才入予算として追加されたのであります。
これを財源別の面から検討いたいしますと別紙第四の通りにして自己財源九二、一三八ドルで八二、二四％、依存財源一六、九九二ドルで一五、一六％、其の他財源二、九一四ドルで二、六％となっております。

三、決算見込について
　別紙第一を御覧下さい。才入会計において予算額が二○一、四三三ドルに対し調定額が二一六、三七八ドルで六月末の収入済額は二一二、二八三ドルで七、八月の整理期乃中に四、二七二ドルを収入して二一六、五五六ドルの決算見込を立てているのであります。そ