読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1963年5月発行 読谷村だより / 4頁

研修報告  教育行政教育施設を視察   胸に希望を青少年を本土就職に送り出そう

〔82号1・2ページの続き〕

教育行政教育施設を視察
三月二十三日
 去る二月に琉球新報に学力日本一、香川県の教育と題して香川県教育委員会学校指導課指導主事の松原清吉氏が長期にわたり報道されたのを見て学校教育の有り方を重点的に再び同町を訪れた。
 先づ教育長事務所に玉木栄一教育長を訪問教育行政について懇談、同氏の案内で町内の小、中学校を廻って其の実態を見聞したのであるが、さすがは学力日本一と云われるだけあって、確に教育熱が盛んであり教職員の学歴といい、教材の豊富からも或いは父兄の理解、PTAの協力といい実に立派であった。
 教育方針並に目標、職責の遂行、生徒の自覚、父兄の協力、校務分掌、教科課定、生徒会組織、年度別学校行事計画、学校予算、PTA予算、生徒会予算、生徒訓等学校要覧に明記し、学校の教育目標をPTA、生徒会、教育委員会が独自の立場で検討している。
 又学力上は教員各位の計画制は当然だが生徒の精神の問題であり、絶えず学習をする態度としつけをうえつけると同時に家族に於てもある程度の仕事を与える事も学習の一端であるとの事ですが免角よく勉強しております。
 次に志度の小、中学校の生徒が学校で決めた軽快な而も一色のユニホームを着け、ユニホームに誇りを託し、貧富の差別なく明るく涼しい顔で登校している姿は別の学校では見られない独特の美しい校風だと思ってた。
 学校々舎の施設については日本内地の制度より沖縄の現在の方法が、はるかに立派な制度と思われる。内地の場合は学校施設が戦前のように各市町村にまかされているため、都市地区と町村地区の学校施設に大きな開きがあるが、沖縄の場合全地域にわたり公平な学校校舎施設がなされるのでこれがもっとも適正な方法だと思う。
 尚志度中校の昭和三七年度の学校要覧を一部を皆様の参考に供する。
一、方針
学校は校長を中心に民主的、家庭的に運営され、教育に関する建設的な意見希望は出来る限り実現につとめ、職員、父兄、生徒が協力して目標達成につとめる。
(一) 職責の遂行
職員はそれぞれる教科の指導に力をつくすとともに、HRの経営、クラブ活動の指導及び分担された校務の遂行に責任をもち必要な現職教育につとめる。

(二) 生徒の自覚
常に志度中学校の生徒であるとの自覚をもち、教科の学習はもとより、その生活態度やクラブ活動において自主的な態度を確立させて、誇をきづつけることのないよういましめる。
(三) 父兄の協力
父兄(P・T・A)や関係機関と常に密接な連絡を保ち理解を深め、学校教育の向上のために物神両面の支援と協力が得られるようつとめる。

(四) 学力の向上
イ 採業時間の確保
学校行事、職員出張等の抑制、採業内容の充実
ロ 教材及び指導法の研究
教育課程の改善現職教育計画による共同研究
ハ 学習意欲の昂揚
家庭学習の奨励
二 教材教具の充足
教材費、理科施設充実費
ホ 教科課程、指導年間計画の改善

(二) 生徒指導の徹底
イ 日常礼法の徹底
ロ 道徳の時間の有効な運営
ハ 週番、HR、生徒会の行う自主活動の促進
ニ 家庭及び関係機関との提獲問題生徒の補導

(三) 健康安全教育の強化
イ 安全教育を徹底して事故を防ぐ
ロ 生徒の体位体力に応じた体育
ハ クラブ活動の振興

本校の実態に即して
(一) 特殊教育の振興
イ 職員の協力、生徒への関心
ロ 特殊学級経営の研究
ハ 特殊学級施設の拡充

(二) 進路指導の徹底
イ 適切な進学及び就職指導と必要な特別指導
ロ 家庭や職安との連絡、高校及び求人先との連携
ハ 就職及び進学後の補導

(三) 学校環境の整備
イ 清潔、整頓の徹底
ロ 教室、廊下等の学習環境と校庭の緑化
ハ 作業場と校舎の整備

※「校務分掌」「昭和三七年度学校行事計画」は表のため、原本参照。

三月二十四日
 午前八時高松港、神戸経由大阪へ、神戸大阪間タクシーで約三時間、この間オリンピック道路と称し東洋一といわれる十差線のハイウェイ工事中で横断歩道は地上にあって、ここを走るる車は八○粁、九○粁(制限速度五○粁)でとばし、車中ひやひや、そろそろこの辺から賑やか、騒擾しさでヤマト気分に湧き大阪梅田駅では唯々五名とも喫驚し呆然とした。

胸に希望を青少年を本土就職に送り出そう
三月二五日
琉球政府大阪雇用連絡所を訪問、所長の具志堅興栄氏、主事の平良吉敏氏、田中良徳氏と午前中懇談、読谷村出身の本土就職者は男四○名女一五名で、日本々土は遂年産業発達し、それに伴う労働力が不足している、これは我々が視察した町村にもみられる事で特に技術革新による工業の発展は単純労働者の需要が急激に増え、その為求人の手が沖縄まで伸びた。
 これらの求人に対しては政府機関を通じて本土就職をさせる様注意があり、それ以外に個人的な採用については後でトラブルが絶えないとの事で注意を受けた。
一応求人申込みについて政府は雇用連絡所を通じて求人条件、待遇、環境、労務管理、衛生管理の画等つぶさに調査して始めてこれに応じるといった気の配り方で就職後の世話も一切みている。従って送り出す方も政府を通じたものは敢て心配する必要もなく安心して

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