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1964年1月発行 読谷村だより / 2頁

台湾の産業視察報告 

台湾の産業視察報告 
村長 池原 昌徳
 台湾は、我々琉球人にとって、決して見知らぬ外国ではありません。基隆、台北、台中、台南、高雄と主なる都市を読むだけで、今尚なつかしく思っている方々が多いかと思われます。台湾は、もともと蓬莱の島だと言われた農業国であります、そして琉球に近い関係もあって現在でも琉球の産業、経済、文化等、密接なつながりをもっております。
 最近、琉球と台湾間の旅行が便利になりまして、政府の役人や、観光された方々から、台湾の灌漑排水施設の状況や、糖業、パイン果物の産地であると聞いて私も是非一度は視察したいと思っていましたところ、今回市町村長会主催によって実現した次第で御座います。
 視察団員は、市町村長が二五名、議会議員二○名、市町村職員五名市町村長会事務局職員一名計五二名でした。日程は、十一月十日より十九日までの十日間で往復ノースウエスト機でありました。那覇飛行場から台北まで、たった一時間で台北の飛行場に着きました。秋晴れのよさもあってか、ノース機は実に乗心地のよいものです。那覇からバスで読谷村に帰る頃には台湾に着くのですから、今更文明の利器に驚かざるを得ません。ではこのへんで視察内容に入ります。

視察日程表
△十一月十日(日)
 正後二十分那覇飛行場出発、一時二十分台北飛行場に到着、約一時間で通関手続を終って新中国大飯店(ホテル)に旅装をとき、台南旅行社の貸切バスで台湾総統府、植物園、博物館竜山寺等を見学した。
台北市、新中国大飯店宿泊
△十一月十一日(月)
 台湾省農業試験所、台湾糖業公司(台湾製糖会社)
 台湾省農田水利協進会訪問新中国大飯店宿泊
△十一月十二日(火)
 国父誕展記念日(孫文先生九七年誕生日)で公休日のため陽明山公園、碧潭島来観光を行い、蕃社踊を見学しました。
新中国飯店宿泊
△十二月十三日(水)
 午前九時台北市より従貫本線を南下、台中市在の台湾糖業公司種畜場見学、南投県集集地区バナナ栽培圃場見学
台中市意文大飯店宿泊
△十一月十四日(木)
 台湾鳳梨公司(パイン会社)員林工場及農家のマシユールーム栽培、台湾省罐類食品工業公会農務所、南北県、永靖郷農会訪問
台中市意文大飯店宿泊
△十一月十五日(金)
 午前九時、台中市出発、雲林県経済局珈琲公幣(コーヒー会社)パイン、麻竹想思樹の混作を見学、

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