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1965年4月発行 読谷村だより / 3頁

児童福祉週間に寄せて

児童福祉週間に寄せて 
村長 池原 昌徳
父母が子供に、よい素質を遺伝しようと正しい取扱いを行い、まわりの悪条件を取除くために最善の努力を払うならば、あなたの子供はどんなに明るく成長することでしょう。
 生まれたとき貧乏人の子であろうと金持ちの子であろうと、何処の国で生まれようと、子供はみんな同じように、幸福な一生を送る機会と大きくなれば世の中に尽す義務と権利が与えられている筈であります。
 ところが生まれた後、親の性格、育て方、感化によって性格が変り、次の少年期に至っては、教育により交友により、環境によって人間の性へきがつくられていきます。特に少年期は発育ざかりで感受性が強く、冒険を好む年頃ですから、幼少時代の生育歴がよくないとすれば、それこそ非行の仲間を選び、或は家庭や大人を信用しなくなって非行を重ねる結果になると思います。
「すべての児童は、心身共に健やかに生まれ、正しい愛情により育てられなければならない。また恵まれない子供に対しても、みんなの責任において助け励ましよい環境をつくって温く育てられなければならない」と児童の幸福を図るために児章憲章や児童福祉法が制定され、更に、青少年健全育成月間運動、児童福祉週間、子供の日、母の日を設けて、丹ゆる階層や団体により、人づくり運動を実践しておりますが、遺憾ながら我が沖繩における青少年犯罪は遂年増加の一途を辿り、更に年令の低下、悪質化の傾向にあるというから全く驚きであります。
 幸にして本村においては常に婦人会、青年団、公民館の協力を得て、社会教育を盛んにし、教育隣組の活動、青年学級、婦人学級等を開設し、また月間運動や週間行事においては独自の実施計画もつくって警察、教育委員会、村が一体となって実践いたしましたので本村内はだいぶよくなりつつありますが、でも琉球全体がよくならないことには安心できるものではありません。従って今後とも、更に検討を加え、子供のためのいろいろの施設や、家庭教育等に総力を挙げて推進しなければなりません。
尚、子供の日に鯉のぼりを掲げ、赤飯をつくり、ピクニック等をして、お祝いすると共に、幼少時代は人間の性格をつくる大切な時期ですから清純な童心を傷つけないように立派に育てて下さい。
 では健康な子供、よく勉強する子供、親切で、正直で、よく働く人をつくるために、次の事柄を守りましょう。
一、早寝早起きを励行しましょう。
二、あいさつを守り、共通語を使いましょう。
三、道路遊び、野遊び、夜間外出をやめましょう
四、家族の話し合いや、レクレーションをやりましょう。
五、子供にできる適当な仕事を分担しましょう。
六、教育隣組の活動を盛んにしましょう。

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