〔100号1ページの続き〕
特に今後は家畜がどんどん増えてくる。となれば、糞尿処理施設を改善しなければ、蚊と蠅は益々増えてくる。また、家庭燃料が薪から油脂類や電気利用に変わって、ちり捨場は氾濫し不衛生のことおびただしい
従って本年度は、ちり捨場を整備改善すると共に蚊や蠅の撲滅のために、専任職員と労務者を配置し、煙霧消毒機を購入して、衛生管理を強化する計画である
なお、村でやるべきもの部落で、各家庭でやるべき責任分担を明確にして、蚊や蠅のいない健康な村をつくりたい。
次に、現代社会の文化施設の一環として、建設中の保育所も完成し、近く開設の日を待つのみであるが、この施設の運営と共に、全村民の育児教育、幼児教育が向上し、子をもつ婦人が安心して働けるように、保育所の円滑な運営を期して保健福祉の向上につとめたい。
五、民政の安定について
本村は昔から純農村として栄えた村である。そして昔も今も大多数の村民が、この村に生まれ、この村に住んでいる。この肉身のつながりは人情に厚く、親切にして、相互扶助の精神をもち、和衷協力の美しい村民性をつくりあげたのである。その結果村行政は安定し、公民館活動や婦人会、青年会運営も活発にして良いこととわかれば直ちに実行する。これはもう教育文化の向上に、治安の確立にどんなに村を発展させたかわからない。ところが一面においてまた弊害もある。
それは、軍用地が余りにも多いためかもしれないが産業形態は依然として、農業が主であり、基地収入の軍用地料と軍雇用員所得があるために、村民生活は安定しつつあるが、企業に恵まれず、生存競争の刺激が少ないために、土地にぼけ、現状に甘んじる傾向にあるまた古い習慣による浪費等もあって、後進性のおそれなしとしない。
軍用地が多いことは、今にはじまった問題ではないし村民が認めたことを云々すべきではないが、要は軍用地料という不労所得を大切にし、これを資金にして家庭生活の合理化のためにあるいは、子弟の教育に投資して、将来の有能な人材特に産業技術人の人的資源を択山つくりだすことを希望する。
次に詳しい検討はこれからであるが、行政区の問題についてふれておきたい。御承知のように、本村の行政区は今尚旧字体制のとおりである。合理的に云えば地籍本位に設置した方がよいと思う。それは近いうちに、元の部落に帰る日のくることを夢見ていたが、歳月の流れは何時の間に早や二十年も過ぎたのである。この間他字同士の隣組をもち、遠くの学校に通い、散在した部落行政を行ない、行政区に加入しない人もいる等、幾多の不利不便の生活を送ってきたかを考えるとき、行政区の改革はもう取り上げるべき時期に来ていると思う。
しかしこの問題についての計画や作業の段取りはこれからであるが、余りにも大きい問題であり、困難性を伴う問題であるから、慎重に取り扱うつもりであり、日時はかかるかも知れないが、その方針のあることを明らかにして、皆様の御高見を仰ぎたいと思う。
尚部分的ではあるが、旧古堅学校敷地と旧読谷学校敷地に居住している区民に対して、その宅地である村有地を払下げる方針をもっていることを明らかにして民生の安定をはかっていきたい。
以上、新しい年度における重要施策について、るる述べてきたのであるが更に教育の振興、青少年対策、治安行政、郷土美化、民主団体の育成等について前年度にまして努力すると共に、行政全般について常に誠意をもって円滑に運営するつもりである。
最後に今回提案した十四の議案について、とくとご検討の上、また、村政全般について、建設的な御批判を寄せられると共に、私の方針と一致点を見るような御配慮を要請し、本村の限りない発展を祈念して施政方針を終わります。
一九六五年六月一日
読谷村長 池原昌徳