読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1987年8月発行 広報よみたん / 8頁

保健婦だより成人健康シリーズ№11 住民検診で肺ガン糖尿病の早期発見を!!

 40歳は人生の折り返し地点。その頃になると生活の習慣病ともいわれる成人病がそろそろ顔を出し始めることが多い。その為住民検診においても40歳以上の人に対しては成人病の早期発見の為の検査内容が豊かになっています。今年の40歳以上の検診には皆さまの健康を守る為に大切な目玉となる二つの検査が増えました。その一つは全国一患者死亡が多い肺ガンの検診が新たに検査項目に加えられたことです。従来は結核検診のついでに肺ガンを発見していました。今年からは肺ガンの早期発見をめざして胸部レントゲンを二重読影します。さらにレントゲン写真上では現れてない早期の肺ガンを発見する為に痰の検査も行います。
痰の検査は
①50歳以上で喫煙指数(一日の本数×喫煙年数)600以上の者
②六ヶ月以内に血痰のあった者等となっており該当する40歳以上の者について個人負担四百円で検査します。検診会場で痰の容器をもらい朝起きてじきの痰を三日間入れてもらい公民館に各自で届けてもらうだけで検査ができます。タバコとガンの間には深い関係があることは皆さまのご存知のとおりです。40歳以上の日本人男性12万人以上を長期的に調査した結果、一日25本以上吸う人は吸わない人に比べて喉頭ガンが90倍以上、肺ガンが7倍以上の死亡比になることがわかっています。しかし禁煙すればガンになる危険はそれ以上増えず禁煙後5年ぐらいたつとほとんど吸わない人と同じくらいの状態に近づくともいわれており今日の肺癌検診を受けてさらにタバコをやめるチャンスにしてほしいと思います。
 もう一つの目玉となる検査は昔からぜいたく病ともいわれている糖尿病の早期発見の為の血糖検査が40歳以上のすべての人に実施されることです。糖尿病はまず起こりやすい体質の人が毎日の生活習慣の中で飲みすぎ、食べすぎ、運動不足等の誘因がありおこってくるといわれている。村民も47%の人が肥満気味であり今後増えることが予測されます。糖尿病になるとすい臓から分泌されるインスリンというホルモンが不足気味になり体の中で糖分がうまく利用されなくなります。その為に血液中の糖分が増え、一定以上の量になると尿にも糖が出ます。昨年までは尿の中の糖を調べることで早期発見していました。今年からは尿検査にに現れる以前の軽い糖尿病や将来糖尿病にかかりやすい人等のチェックができ、糖尿病にまで進行しないような予防ができます。糖尿病はかかってしまうと一生医師の管理が必要で網膜症(眼が見えなくなる)心筋梗塞、動脈硬化、神経障害等の余病をおこしやすくぜひ早期発見したい病気の一つです。血糖検査の値は食事に左右されやすいので空腹時又は食後二時間後に採血してもらうことが望ましいです。
 以上の新しく加わった検査の他に従来から行われている検査も実施します。住民検診と同時に行う胃の検診、子宮癌、乳癌検診をすべて受けるとしたらほぼミニ人間ドック的な内容になっています。住民検診はわが身の健康を確かめる絶好のチャンスです。ぜひ受診しましょう。

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