読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1991年6月発行 広報よみたん / 3頁

【見出し】読谷の土地に適する品種の選定を!-読谷村さとうきびフォーラム- 【写真:基調講演(当山清善教授)】

 「さとうきびの日」の四月二十八日、きびの品質改善と農家の作業省力化を図ろうという趣旨に基づき、「さとうきび品質改善対策と機械化体系に関するフォーラム」が、村内のきび生産者約百五十人が集まる中福祉センターにて開催されました。
 今期の製糖操業は、原料のさとうきびが大幅減収(三〇%)したのに加え、品質低下が重なり、生産量は前期三〇、三〇六㌧(六二二、四八四千円)今期二一、八五一㌧(四四八、八二〇千円)と、その実績は前期を大きく下回る結果となり、生産農家にとっては厳しいものとなっている。
 これは、昨年の台風などの影響によるものであるが、今期の実績は昭和五五~五六年期の十年前に次ぐ低さである。
 きびは、沖縄県の農業を支える重要な基幹作物であり、本村でも村内農家の約七〇%を占めている。
 しかし、基幹作物とはいえ、きびを取り巻く内外の情勢は一段と厳しくなってきているのが実情であり、きび作農家にとって不利な条件が出てきている。
 生産農家の高齢化や、平成六年産から導入される品質取引への移行は、これまでの重量による取引価格を品質別に価格設定されるもので、きび作農家の収入に直接影響を及ぼすことになる。
 この品質取引に向けては、県や市町村、関係団体や農家などが一体となって取り組まれているが、品質取引は今後のきび振興をも左右するだけに、万全な条件整備を図る必要があるだろう。 フォーラムは、琉大教授・当山清善氏(座喜味区出身)の基調講演と五人のパネリストの報告が行われた。
 そのなかで、当山氏は「読谷村は中部地区の都市型農業に位置づけ、読谷村の伝統的作物をいかに植えるか。読谷の土地に合う、もうかる農業は何かを考えるべきだ」と指滴し、「若者に魅力ある農業にする必要がある」と提言。
 また、基調報告では①土地の保水生の悪い読谷は、特に村に適する品種を選定すること。②ブリックスを高めること。③生産コストを下げるためには機械化農業は避けて通れないこと。等が強調され、参加者をうならせた。
 今後の農業は、生産基盤の整備を図るとともに、優良品種の育成や普及、収穫機械の開発などをより一層、推進していかなければならず、きび作農家にとって収穫時の機械化は、高齢化や労働力不足の解消、省力化の面から緊急な課題であろう。

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