【東京】日米特別行動委員会(SACO)は、返還合意した海兵隊普天間航空基地(四百八十㌶)の代替地として、嘉手納弾薬庫内の読谷、恩納両村にまたがった地域を有力候補に挙げていることが十六日までに分かった。候補地は林野のため、移設が決まれば広範囲の山林伐採が予想されるほか、座喜味(読谷)、与久田(恩納)、真栄田(同)、山田(同)などの住民地域が近くにあり、事故や騒音被害が懸念される。防衛庁によると、ヘリポートの建設費に三千億から四千億円、また、普天間の返還跡利用経費に数千億円、総額でおよそ一兆円が見込まれるという。
候補地として有力視されている弾薬県内の移設予定地は、米軍がASP1区と識別するおよそ三百六十㌶の広い山林地帯。SACOでは、有事の際に本国から空輸されるヘリコプター三百機の受け入れが可能な普天間の現機能維持を前提に候補地が絞り込まれた。
また、SACOでは移設先を選定するにあたり、飛行場周辺でヘリが旋回飛行しても住民へ騒音被害を及ぼさない地域を候補に挙げたという。現在は普天間基地から演習場のキャンプ・ハンセン(金武、宜野座)、北部訓練場(国頭、東)の間をヘリが市街地上空を横切る形で飛行しており、騒音被害がひどい。
防衛庁サイドは、移設候補地から演習場聞は恩納村などの山野部を飛行することから騒音軽減にもつながるとみている。しかし、ヘリポート周辺の民間地では新たな住宅防音対策が必要との判断だ。
一方、中間報告を受けて政府与党の沖縄基地問題プロジェクトチームは同日、
会合を開き、この中で自民党は普天間移設のため新たな予算措置の必要性を提起した。
ペリー長官が「基地縮小作業の九〇%が速成した」と強調した中間報告のなかで、最大の目玉となった普天間の返還。しかし、政府が巨額の予算措置にどう対応するのか、また、移設先の問題など、「実質的には現段階で一〇%しか達成されていない」(防衛庁筋)との厳しい見方があるように、全面返還に向けて課題が山積している。