読谷村史編集室 読谷村の出来事を調べる、読谷村広報データベース

1996年11月発行 広報よみたん / 9頁

【見出し】沖縄での素晴らしい経験をブラジルで伝えたい

 コンピュータのほかにも沖縄の文化の中心である舞踊や三味線、習字を習うことができました。
 舞踊は歩き方や目の位置(目線)、手の形や態度(姿勢)などがとても重要で難しいです。先生や先輩の方が親切に教えてくれたので色々と習うことができました。
 三味線は今まで全然やったことがないので、自分が習うことができるかと思いました。最初はとても難しくって三味線の持ち方もわからなく不安でした。でも先生の教え方と頑張る力と、そして何回も繰り返し練習してみて、今は少し弾けるし、歌の意味も習うことができました。
 習字はどんな線でも書く時には簡単ではないとわかってきました。どんな字でも細かい注意が必要なのです。線の太いところや軽く進むところや、筆の持ち方などたくさん知らなければならないことがあります。
 半年の研修は”アット言う間”でした。六カ月間で自分のできる分は頑張ったと思います。いつか私がやったことを落ち着いて考えるとしたらとても嬉しく思うだろう。これからも私は自分の目的に向かって頑張ります。
 これからの素晴らしい将来を作るために、できることは一生懸命にやっていこうと思います。これから大学での勉強や日本語の勉強をやり、そして舞踊、三味線、習字の練習を少しずつやりたいと思っています。今からもっともっと勉強や体験を積み重ねて頑張っていきます。将来の素晴らしい未来が待っていると思います。
 ブラジルに戻ったら思い出や沖縄での体験など、色々と皆さん達に聞かせることがたくさんあります。素晴らしい沖縄のことを聞かせて、またこれからだんだん私みたいにブラジル読谷村人会の青年が来るために頑張りたいと思っています。読谷村の研修生として私は本当に嬉しくって満足しています。
 沖縄で学んだことと、そしてこの嬉しい経験は誰もまねできない素晴らしいものです。半年の研修が無事できたのは、私が沖縄に来るために頑張ってもらった皆さんのお陰で感謝します。
 私の両親に今まで私が日本語の勉強や色々と頑張るためにやってくれたことについて本当にありがとうございます。読谷村、そして山内村長さんと役場の方にもありがとうございました。大学や舞踊、三味線、習字の先生方は私に何でも教えるために色々とやってもらってありがとうございました。儀間真智子お母さんはとても明るくっていいお母さん。友達、そして何でも私が頑張るためにやってくれたので本当に感謝しています。沖縄の皆様、色々と大変お世話になったので心から感謝しています。本当にありがとうございました。

MUITO OBRIGADA POR TUDO
(注)文章は、儀間ひとみさんが書いた報告書の原稿を、本人の承諾を得て漢字変換するとともに、紙面の都合上、一部文章を割愛して掲載してあります。

 去る三月下旬にブラジル・サンパウロ市から「読谷村海外移住者子弟研修生(第四期生)」として来村し、四月から九月までの半年間、沖縄職業能力開発短期大学校・ポリテクカレッジ沖縄(沖縄市在・具志幸昌校長)でコンピュータの技術研修をしてきた儀間ひとみさんが、この程同大学校を優秀な成績を納めて卒業。これに伴い、研修生受入事業協力会(当真嗣清会長=助役)では十月四日午後、「研修報告会」を開き、ひとみさんの研修終了を祝福しました。
 報告会では、当真会長が「ひとみさんがポリテクカレッジでの研修やいろんな分野で素晴らしい成果を納めることができたことを本村の誇りとしたい」と讃え、引き続き、報告に立ったひとみさんは流暢な日本語で報告書を読み上げ関係者らにお礼の言葉を述べると共に、ステージでは新垣満子琉舞研究所(伊良皆)で習った琉舞「かぎやで風」や「若衆こてい節」を、また安田慶善師範(渡慶次)と二人で三線を弾いて古典音楽を披露し、会場から太きた喝采を浴びました。また、会場には上原千枝美琉月習字教室(波平)で教わった習字が展示され、鑑賞した関係者らが称賛の声をあげました。
 ひとみさんがこの半年間で学んだことは数多く、昼は専門学校でコンピュータを習得しつつ、夜は、琉舞(火・木)、三線(月・水)、書道(金)と、古里の伝統芸能、文化を吸収すると共に、専門学校の夏休み期間中においては役場業務(住民課での窓口対応、生き活き健康センターでのボランティア活動)で住民福祉などを学ぶ一方、地域にあっては積極的に字民に溶け込み、渡慶次青年会の一員として旧盆エイサーや読谷村青年エイサーまつり、第32回青年ふるさとエイサーまつりに参加するなど郷土芸能を思う存分に満喫し、同世代との交流の輪を広げました。
 「もうウチナーンチュになったみたい」と話すひとみさん。六ケ月間の短い研修体験ですっかり沖縄のとりこになり、十月初旬に予約していた帰国のための航空券をもキャンセル。十一月に行われる「読谷まつりに出演するまでは帰れない」と決意し、古里・読谷の一大イベントを楽しみにしている。

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