世界にも稀な音階をもつ琉球の音楽を確立させた偉大な先人-赤犬子-その業績をたどる音楽と踊りによる一大イベント、総勢500名あまりの村民によって繰り広げられる音と舞は圧巻。
優れた郷土の伝統文化を継承するとともに、新しい文化の創造と活力ある産業の発展を期し、あわせて村民意識の高揚、相互の融和と親睦を固り『人間性豊かな環境・文化村』づくりを目的に、「第23回読谷まつり」(同実行委員会主催)が十一月一日・ニ日に行われ、まつりには延べ10万人の人々が訪れ賑わいました。
毎年、十一月の第一土・日曜日に行われる本村の「読谷まつり」は、〝21世紀へはばたくよみたん 人間・文化・産業の花咲く村づくり〟をテーマに開催。初日は三線の始祖赤犬子を讃え、『赤犬子琉球古典音楽大演奏会』を、二日目は、読谷の若き勇者・泰期を讃える大ロマン創作『進貢船』をメインに、壮大なドラマが展開されました。
まつり初日は、村内十五団体で構成する実行委員会(山内徳信委員長=村長)の代表らによるオープニングセレモニーで開幕し、村内小・中学校七校の児童・生徒による生き生きとした「集団演技」や読谷高校ダソス部の華麗な「創作ダンス」などで演技がスタート。そして、琉球音楽の始祖・赤犬子大主を迎えたステージでは、総勢五百人の村人による「琉球古典音楽大演奏」や優雅で多彩な琉球舞踊が繰り広げられ、人々を魅了しました。
まつり二日目は、子ども会や老人会によるハツラツとした「団体演技」や小・中学生の「三線・筝演奏」「棒術」などが観衆の目を奪い、また今回のまつりには、歌手として全国デビューする本村出身の若い二人「キロロ」(12 ページ掲載)のライヴとハワイ村人会のフラダンスがステージを飾り、一際人気を集めました。
まつりのハイライトは、壮大な歴史ロマンおりなす創作「進貢船」。炎に導かれ、闇夜に巨大な進貢船の雄姿が登場するや、会楊はいよいよクライマックスを迎え、万人の観衆は歓喜と感動の世界に吸い込まれた。ステージでは泰期一行を迎える祝いの宴がはじまり、華やかな琉舞に太鼓や棒術、空手、古武道、民俗芸能などの豪華絢爛たるプログラムが次々に展開され、観る人々の心を激しく揺さぶりました。
また、JAゆいな農協読谷支所の大型テナソトや勤労者体育セソター、伝統工芸センターでは、農産物や手芸品などの多種多様なジャンルの作品が展示された他、村総合福祉センターでは「ヤングライヴ」と、楚辺区の組踊「忠臣護佐丸」が演じられました。
今年のまつりにはハワイ村人会一行83人をはじめ、県外の鳥取県淀江町から39人(餅つき隊19人・ソフトボール交流団20人)、和歌山県本宮町立の30人に加え、雇用促進事業団大会への参加者約二百人がた本村を訪れ、読谷まつりを満喫しました。