読谷の自然 (138) 昆虫類 77 ~オオシマゼミ~
十月ともなると沖縄もすっかり秋が深まってきます。この時期、「ケーン、ケーン・・」(「チェーン、チェーン・・」または「カン・カン・カン」とも聞こえる)と連続的に独特のかん高い鳴き声で鳴くセミがいます。これがオオシマゼミで、本土に生息するツクツクボウシの仲間です(「オオシマ」は奄美大島の意味とされています)。このセミは日本産のツクツクボウシ属の最大のセミで、同じ仲間でこの時期に鳴くクロイワツクツクによく似ていますが、オスは体の青緑色のしま模様がより鮮やかで、腹弁(ふくべん)も大きく、その先端部が外側に向くのが特徴で、また鳴き声でもすぐに区別できます。
オオシマゼミは、奄美大島、徳之島、沖縄島、ケラマ諸島、久米島に分布する琉球列島固有の種です。クロイワツクツクが人里に近いところに生息するのに対し、オオシマゼミは山地森林に生息します。沖縄島では国頭地域(ヤンバル)から中部の山々にかけて生息し、ちょうど読谷村から沖縄市知花あたりが分布の南限で、島の南部には生息していません。六月から鳴き始め、最盛期は九~十月で、十二月まで鳴いています。十二月までセミが鳴くことは、本土では考えられないことですが、村内では座喜味城跡周辺や親志などの森林地域で、クロイワツクツクに混じって生息し、鳴き声もよく聞こえます。
文・写真 県立美咲養護学校 嵩原 建二