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1959年11月発行 読谷村だより / 2頁

愛の手で守れみんなよい子 第9回青少年不良化防止運動 少年犯罪の傾向(琉球警察統計書より)

愛の手で守れみんなよい子 
第9回青少年不良化防止運動 
1959年11月16日(月)~12月15日

過去八回に亘って実施された青少年不良化防止運動は村民皆様と関係機関の積極的な努力によって、その効果をあげつつありますが、青少年問題の現状を検討するとき、一刻もゆるがせにならないものがあります。
 特に最近は新聞などで御承知のとおり学生生徒の犯罪が多発の傾向にあり青少年問題の深刻さを露呈しております。かかる現状に鑑み防犯対策協議会においては青少年の非行防止対策を合理的且つ能率的に推進するには、青少年問題の協力関係機関の組織力に負うところが極めて大であるとの観点から補導組織力を結集した第九回青少年不良化防止運動を実施することになりましたから全面的な協力方を配慮して戴き本運動の効果をあげるよう格段の努力を払って戴きますよう御願い致します。
 第九回青少年不良化防止運動実施要綱
一、趣旨
青少年の指導、保護育成及び非行防止の重要性を認識せしめ、理解と協力を得るため強力な不良化防止運動を展開する。

二、目標
社会環境を浄化し社会風教の刷新を図って青少年の健全な保護育成を期する。

三、実施事項
1 部落懇談会の開催
2 村たより、親子ラジオによる宣伝啓発
3 保安灯の整備点検
4 未青年者の禁酒禁煙の励行
5 各字公民館の児童、青年文庫の強化
6 子供あそび場の施設増強
7 青年会を主体とした自警団の結成
8 PTAの積極的運営
9 生徒会の健全育成(校外指導の強化)
10 長欠児、不就学児の調査保護
11 児童生徒の欠席は必ず届る。

▼少年犯罪の傾向(琉球警察統計書より) 
 一九五年度に於ける少年犯罪の傾向は、過去の単純犯行や少年らしい動機、原因等から発生する各種の犯罪手口から漸次巧妙大胆にかつ組織的に集団化しつつ更に悪化していく傾向が明らかになってきた年だといえよう。
 即ち過去における少年犯罪は、その殆どが盗犯でありその原因、動機も単なる物欲を不法手段で充足するといった傾向であったが五八年では少年犯の王座を占めていた盗犯は横ばりの傾向を示し、その反面殺人、強盗、強姦 放火といった兇悪犯や暴行、傷害、康喝脅迫といった粗暴犯が急激に増加したことである。
 特に五八年度では、学生生徒の犯罪や不良行為が目立ち高校生をまじえた集団自動車強盗、或は学生生徒の同悽事件や桃色遊ぎ、或はまた強盗強姦、わいせつ行為といった性的犯罪が連続的に発生したことも五八年度の少年犯罪に特筆すべき事件である。
以下少年犯罪(一九五八年度に検挙された少年七九四人)を統計によって調べてみましょう。
①一九五七年度の少年犯罪は六八八件であったが五八年度は七九四人で一○六人も多くなった。
②五八年度の七九四人を刑法犯の罪種別に分けて調べると兇悪犯四九人、粗暴犯九一人、盗犯五五九人、智能犯三五人、過失犯十六人、その他四四人となっている。
③次は少年犯罪を学生生徒、とその他の少年(卒業中退)とに分けると学生生徒が二七一人、その他の少年は五二三人となっている。
④次に検挙された少年の年齢別に調べてみると次表のとおりである。

※表になっている 原本参照
年齢別   9才 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19  計
検挙人員  6 7 18 62 46 44 81 89 121 153 167 794

⑤犯罪少年の両親関係別調べについては次の表で示しているとおりで両親のあるものが最も多く全体の五六・五%を占め、次が父なきもの、両親なきものとなっており、母なきものと、実父継母とが同一数位を占めその他の順になっている。
両親関係    犯罪少年数(人)  百分率%
両親あるもの 448 56.5
両親なきもの 180 8.0
父なきもの 34 22.7
母なきもの 5 4.3
継父母 34 0.6
実父継母 5 4.3
継父実母 34 2.8
義父母 3 0.3
戦災孤児 4 0.5
合計 794 100

⑥次は犯罪の動機を家庭的原因、対人的原因、内心的原因、その他の原因に分類してそれぞれの構成を調べてみると次のとおりであるが家庭的原因が三九二人で四九・五%対人的原因が一五九人で

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