あたたかい地方のくらしを学習したい-とこの程、本村教育委員会に北国から一通の便りが寄せられた。
手紙は、東北の福島県(日本松市立日本松南小学校)の大松茂夫教諭からの便りで、大松教諭は「児童の祖父が沖縄旅行で持ち帰ったパンフレットで読谷村に『(株)沖縄黒糖』があるのを知り、村教育委員会に手紙を出した」と記述し、手紙は「今は、四年生で”いろいろな土地のくらし”という社会科の単元の中で、『あたたかい地方のくらし』について五感を生かした授業を心掛けて学習しているが、福島と遠く離れた沖縄については、①経験不足(沖縄に行った児童がゼロで親戚もいない)、②物的つながりの乏しさ(スーパーなどに沖縄のラベルのある商品などがない)、③イメージ化がない(沖縄の産業が風土上独特なので、地形と関連づけて理解できない)ので教科書の範囲から抜け出すことができず、沖縄を身近に感じられるようサトウキビの実物や副読本、観光パンフレットなどの資料を送ってほしい」というもの。
村教育委員会ではこれに応え、比嘉佑邦教育指導主事がサトウキビや郷土読本、広告チラシなどを送ったところ、再びお礼の手紙と四年生の児童生徒らのメッセージが届き、手紙には「沖縄からの手紙が来たと嬉しさが広がり、五~六年生は『サトウキビが食べたい』とか、保護者からも『どうやって食べるの』などと予想だにしなかった反応があった」と述べる一方で、「私たちの住む東北から見ると外国のような感じさえある沖縄が心のこもった小包みで身近に思われ素敵な思い出をつくるころができ感謝します」と綴られ、また子供たちのメッセージにはサトウキビに関して「初めて食べておいしかった」「すごく甘くてびっくりした」「竹みたいだったなんで知らなかった」などの感想や「物価がなぜ安いの」「オンスなどの単位がつかわれているのはなぜ」「言葉の違いはあるの」「長寿の方々が多いのはなぜ」などの様々な質問が寄せられたのと併せ、本村の教育委員会には”せめてものお礼”にと福島県の三年生や四年生が使用しているという郷土読本が贈られた。
また、資料を提供したのがきっかけで教育の交流が育まれたことに、上地正一教育委員会総務課長は「一通の便りに応えたことで東北の子供たちが沖縄を知り、感動を与えたことはとても素晴らしい出来事だと思う」と話していた。