体長二十ミリくらい、背中が緑色、腹面は茶色のコガネムシで、本州から琉球列島に分布します。夜間、ブーンと羽音を立て、電灯に飛んできます。捕まえたときに腹端から黒くて臭い汁を出すため、沖縄の方言で「クスブン」とか「クースベンサー」と呼ばれています。
成虫は沖縄島では五月から出現し、八月ごろまで見られます。成虫はクサトベラなど、いろいろな植物の葉を食べます。卵は地中に産みます。幼虫はC字型をした、白い大きなイモムシで、腐植物や植物の根を食べて育ち、翌年に地中で蛹になり、さらに成虫になって地上に出てきます。
秋、収穫前のサトウキビが畑一面に枯れることがあります。コガネムシ類の幼虫の仕業です。根が食いつくされているため、手で簡単にサトウキビを抜くことができます。サトウキビにつくコガネムシは数種いますが、中でも最も被害面積の大きいのがアオドウガネです。さらに最近、宮古・八重山では、アカチャケブカコガネという別のコガネムシの被害も拡大しています。土壌害虫の防除は難しく、農薬も大量に必要なことから、沖縄県では、これらの害虫に対して、フェロモンを利用した環境にやさしい防除技術の開発に向け、研究を進めています。。
文:県立美咲養護学校教諭
嵩原建二
写真:沖縄県農業研究センター
小浜継雄